🌟 輸送強化時の輸送
会社を成長させて輸送を強化した場合、1回のアクションで運べる「資源の個数」が増加します。
通常、未成長状態では1アクションにつき1個ですが、1回強化すると2個まで、2回強化すると3個まで運べるようになります。
同じエリアに複数個運ぶことになるので、輸送先エリアの【倉庫】に空きがなかったり、あるいはそんなに必要なかった場合、せっかく強化した輸送力が無駄になる可能性もあります。
改良の強化はアクション回数そのものが増えますが、輸送を強化してもアクション回数自体は増えないことに注意してください。
🌟 アクションリセット
手番終了時に、選択した(=自分がワーカーを配置した)アクションが3マス埋まっていた場合、リセットが発生します。ただし、これによって戻されるワーカーは「所有者の手元」ではなく、【ストック】となります。
所有者の手元へ戻すと、残っているワーカーと区別がつかず混乱の元になります。必ず【ストック】へ戻してください。
各プレイヤーの手元へワーカーが戻されるのは「ラウンド終了時」のみとなります。
その際も、【ストック】からワーカーが戻されるのであって、アクションボード上に配置されているワーカーはそのまま残しておきますので注意してください。
🌟 資源の補充
ラウンド終了時、各プレイヤーに並資源が2個ずつ補充されます(倉庫拡張していたり、スキルがあった場合、さらに追加で資源を得られます)。
この補充は忘れやすいので、注意するようしてください。
🎬 インスト動画
インスト動画がありましたので、リンクさせていただきました!
ルールが大変分かり易く解説されていますので、プレイやインストの参考になると思います!
作成:パンダ会/大ちゃん様
輸送先エリアの【倉庫】が全て埋まっていた場合、そこを通り抜けて他のエリアへ輸送することはできますか?
いいえ、できません。必ず輸送先の【倉庫】へ入れる必要があるので、まず【倉庫】に空きを作ってから、改めて輸送を行ってください。
【倉庫】に配置できる資源の最大数は、各エリア毎の【倉庫】ですか? それとも、全てのエリアの【倉庫】の合計ですか?
各エリア毎です。
ワーカーと派遣ワーカーは違うものですか?
違います。ワーカーをアクションボードに配置するとアクションを行うことができますが、派遣ワーカーを配置してもアクションは行えません。
また、ワーカーは各ラウンド毎に一定数補充されますが、派遣ワーカーは一度使用したら会社が成長しない限り補充されません。
アクション選択時に得た並資源を、配置してそのまま依頼達成の必要資源として支払ったり、改良してグレードアップさせたり、輸送したりすることはできますか?
はい、できます。元からそのエリアの【倉庫】にあったものとして扱ってください。
エリアの【倉庫】にある資源を処分して、【ストック】へ戻すことはできますか?
いいえ、できません。他のエリアへ輸送するか、あるいは依頼などで支払ってください。
「倉庫拡張」を2マス分解放したら、ラウンド終了時に追加で補充される並資源は5個になりますか?
いいえ、なりません。大きい方で上書きされるので、2マス解放しても「倉庫拡張」により追加で補充される並資源は3個となります。
輸送を2アクション以上行う際、最初に資源を隣接エリアの【倉庫】へ輸送した後、その【倉庫】にある別の資源を輸送することはできますか?
はい、できます。輸送する資源を途中で変えても問題ありません。
輸送を2アクション以上行う際、【ホータン港】からAエリアへ1回、BエリアからCエリアへ1回、というように、1回目の輸送と全く関連のないエリアからエリアへ輸送を行うことはできますか?
はい、できます。複数回のアクションはそれぞれ独立していて、1アクション毎に好きな隣接するエリアを2つ選んで輸送を行うことができます。
「輸送強化」で、一度に複数個の資源が輸送できる状態の時、資源を1個だけ輸送することはできますか?
はい、できます。「輸送強化」は一度に輸送できる資源の上限(最大数)をアップさせるので、その上限までの好きな個数の資源を輸送することができます。
資源が足りず、改良アクションや依頼達成アクションが余ってしまったらどうなりますか?
アクションが無駄になります。
進出エリアがなかったり、あっても他のプレイヤーの【営業所】が配置されている状態で、輸送の2マス目を解放して【営業所】を得たらどうなりますか?
【営業所】の配置は保留できるので、次ラウンド以降の会社成長時に配置したい進出エリアができたら配置してください。
複数のプレイヤーが同時に【営業所】を得て、しかも同じ進出エリアに配置しようとした場合、どのプレイヤーが優先されますか?
順位で見てください。その進出エリアで最も多くシェアトークンを配置しているプレイヤーとなります。複数いれば、より左側にシェアトークンを配置しているプレイヤーが優先されます。
使い捨てスキルは、ラウンド中にも使用できますか?
いいえ、できません。ラウンド終了時の「会社の成長」の際に使用してください。
アクションの3マス目が空いている状態で、そこに派遣ワーカーを配置してリセット。続けて派遣ワーカーを1マス目に配置し、2マス目にワーカーを配置することはできますか?
はい、できます。
他のプレイヤーを邪魔する目的で、自分が行わないアクションに派遣ワーカーを配置することはできますか?
はい、できます。
マーケット再調査で増やした【専用依頼】を使用せず捨て札にする場合、元々持っていた【専用依頼】の方を捨て札にし、増やした方を残すことはできますか?
いいえ、できません。マーケット再調査で増やした方を捨て札にしてください。
「自動化」で、必要な並資源を0個に減らすことはできますか?
はい、できます。
「蒸気エクスプレス」で、駅エリアは決算時に【ホータン港】の隣接エリアとして扱われますか?
いいえ、扱われません。輸送時のみとなります。
「事務員倍増」で【専用依頼】を増やした際、「品質向上」を2マス解放すると、増やした分の【専用依頼】も上級依頼に変えることができますか?
はい、できます。また、下級依頼と上級依頼を1枚ずつにすることもできます。
「定期特急輸送」は、派遣ワーカーが手元にあれば必ず行う必要がありますか?
いいえ、ありません。必要がある時のみ、効果を適用できます。
「長距離輸送」で輸送先エリアの【倉庫】の最大数を無視できますか?
いいえ、できません。無視できるのは飛ばしたエリアのみで、輸送先エリアでは制限を守る必要があります。
「高級品志向」や「付加価値商品」で、「長距離輸送」の効果で飛ばしたエリアが、これらの効果対象エリアだった場合、その効果は適用されますか?
いいえ、されません。「長距離輸送」で飛ばしたエリアは、そこに輸送を行っていないとして扱ってください。
「宅配サービス」で、輸送先の駅エリアと違うエリアの依頼や、あるいは【デイリー】を達成することはできますか?
いいえ、できません。輸送先の駅エリアで指定された依頼のみ達成可能です。
「高級品志向」で、盛り場エリアの【倉庫】が全て埋まっている時に、資源を輸送した、という体にしてアクションを消費し、VPを得ることはできますか?
いいえ、できません。輸送先エリアの【倉庫】が全て埋まっていたら、そこへ輸送するというアクション自体が行えなくなります。
「海賊版流通」や「掘り出し物」で、【ホータン港】を指定することもできますか?
はい、できます。
「強制相乗り」の効果は、「蒸気エクスプレス」「定期特急輸送」「長距離輸送」などのスキル効果に対しても適用されますか?
はい、適用されます。「長距離輸送」時は、自分も飛ばしたエリアの【倉庫】の最大数を無視することができます。
「職人の業」に必要な並資源を「自動化」で減らすことはできますか?
いいえ、できません。必ず、指定された数の並資源が必要となります。
「法主の口利き」で【ホータン港】にシェアトークンを配置できますか?
いいえ、できません。
「二番煎じ」で、依頼カードが尽きて山がリシャッフルされた後、そのリシャッフルされた山からカードを選ぶことはできますか?
いいえ、できません。対象になるのは、捨て札になっている依頼カードのみとなります。
「弾丸便」で盛り場に輸送した際、「高級品志向」の効果は適用されますか? また、同様に「定期特急便」で輸送した際、「宅配サービス」の効果は適用されますか?
はい、されます。「輸送する」と書かれた効果は全て対象となります。ただし、「配置する」と書かれた効果は全て対象外となります。
「多角経営」で、会社ボードの未解放マスに配置されている派遣ワーカーも効果の対象にできますか?
いいえ、できません。会社の成長でマスから取り除き、手元にある派遣ワーカーのみを対象とします。
「大型機械導入」の効果は、「取次指南」で直ちに得る並資源や、ラウンド終了時に行った「臨時調達」で得る並資源などにも適用されますか?
いいえ、されません。スキルで得た資源は効果対象外になります。
「付加価値商品」で、3アクション使用して同じ進出エリアに資源1個を3回輸送しました。この3個の資源全てに1回ずつ改良できますか?
はい、できます。条件を満たしていれば効果は適用されます。
「付加価値商品」で、2アクションを使用して1個の資源を進出エリアへ運び、そこから違う進出エリアへ運びました。この資源は2回改良ができますか?
はい、できます。輸送は連続したものでなく、各アクション毎に別の輸送だと考えていただければ幸いです。
「ネットワーク構築」で【倉庫】の最大数を6にした後、「倉庫拡張」を解放すると最大数はさらに増えますか?
いいえ、増えません。ラウンド終了時に補充される並資源の数だけ増加します。
制作を終えて
「アジアンパンクな世界観で、何か面白いことはできないか」
本作はそうした思考実験から生まれたゲームです。最初からピックアンドデリバリーにすることも、ワーカープレイスメントにすることも、特に何も決まっていない状態から始まりました。
初期稿では、2種類のアクションの内、1種類のみなら3回、2種類やるとそれぞれ1回でアクションが1回分減るという、変則アクションポイント制だったりします。このアクション切り分けが上手く機能しなかった為、拙作『パーペチュアル・ライフ』で実験的に搭載した「後乗りワーカープレイスメント方式」に切り替えました。
その後も調整による紆余曲折を経て今の形へと落ち着いたのですが、ゲームとして上手く仕上がったと思います。
欲を言えば、アジアンパンクの特徴でもある「ゴチャゴチャとした街並み」をゲーム的に再現したかったんですが、それは今後「アジアンパンクな街作りゲー」を作る時があれば、その課題にしたいと思います。
制作途中には、定期船、鉄道などを利用した公共輸送機関や、トラック、象、魔女の宅急便、スピードブーツみたいな面白輸送手段とかもカード化していたのですが、上手く調整がつかずボツとなりました。仮に拡張を出すようなことがあれば、定期船とか鉄道のアイデアは再利用してみたいものですね。他にも、依頼カードに勝利点以外の役割を持たせるとか、エリアのマジョリティを得ていたら特殊な支援効果がつくとか、現在のシステムを踏まえた上でより派手なプレイを演出できたらいいなー、と思います。
再現性 vs ゲーム性
再現性とゲーム性のどっちを重視するか、という問題です。
まず、前提として僕は再現性の高いゲームが大好きです。プレイヤーがやってることが、特に意識しなくても世界観に沿っていて、かつ不自然さを感じない。ルールが少々複雑化してもそれが理想だし、感想を書く場合はその部分について大抵1コメントぐらい入れていると思います。
当然、自作のゲームについても、そういう再現性にこだわったゲームを多く作っている訳です。
以上の点を踏まえまして、本作をプレイされた方は何か違和感を感じられたのではないでしょうか。
そうです。本作はピックアンドデリバリーという形式を取っているにも関わらず、プレイヤーが実際何を運んでいるのか、実は全く分からないのです。資源にはグレードという価値の優劣を表すデータが1つあるだけで、それが本であるのか、家具であるのか、依頼を達成するその瞬間まで確定しないのです。
「これはー、いわゆる1つの、クゥオンティテェーティブなデリバリーなんですねー」
と言う冗談はさて置き、僕もここはポリシー的にもどうにかした方がいいと考えていました。運んでいる荷物の具体的な品名が分かった方が分かり易いし、臨場感も出るし、良いことづくめな気がします。ただ、それをどう実現するか、という実務的な部分はどうでしょうか。
多分、一番簡単に解決するには各グッズに合わせたトークンを用意することです。ただし、予算的にも、時間的にも、トークンを立体物にすることはできません。最近はキックスターターなどで物凄い物量の立体物が並んでるのを見て感覚がちょっとマヒしてる感もありますが、まず普通にオリジナルの立体物を用意することは大変難しいのです。
そうなると、最も簡単な実現方法はアイコンイラストを用意して円形トークンなどを用意することです。これは実際難易度は全く高くありません。トークンを複数個動かすのが面倒なら、2個分、3個分のトークンを作ればよいだけですし。ただ、これらトークンには「つかみ難い」という問題があります。つかみ難いとは、つまり頻繁に動かすのに向かない、ということでもあります。
本作はジャンル的に一応ピックアンドデリバリーであり、物を頻繁に動かすことでゲームが進行する仕組みになっています。なので、この問題はプレイアビリティに直結する、思ったよりも重要な問題だと感じました。
イメージを優先するか、それとも遊び易さを優先するか。
色々考えたのですが、ここは遊び易さを優先した方がゲームが面白くなると判断し、分かり易いイメージを捨てることにしました。もっとデザインセンスのある人なら、上手く融合させられたのかも知れませんが、僕にはできませんでした。ただ、その時できなかったからと言って、一生できないという訳ではありません。いつかできるようになればいいだけなのです。
と言うような過程を経て現在の量子的資源に落ち着いた訳ですが、さすがにそこを完全にぶん投げるのはどうかと思ったので、世界観的な理屈を後から考えました。最初は小さな運送会社ぐらいを想定していたのですが、これをAmazon的なものと捉え直したのです。
この定義変えにより、会社は各エリアに専用の自分の倉庫を持ち、かつ、基本的にはそこに物資を保管しておき、オーダーがあり次第近くの倉庫から出庫する。というイメージに転換し、徐々に現在の形へ落ち着きました。また、資源のアイコンもコンテナにして、中に入っている物を特定しない形にもしました。
まぁ、それが上手くいったかどうか、というのはまた別の問題であるんですが……
もう1つあります。それは会社の成長です。
これも普通に考えると、業績を上げていない会社(=依頼を達成していない)が成長するのはヘンです。ゲームシステム上、例え1回も依頼達成しなくても、会社は他のプレイヤーと同じように成長します。これはどう考えても理屈に合わず、放っておいても会社が成長するならプレイヤーは一体何をやってるのか? という疑問が生まれます。
ただ、ゲーム的に考えて、成果と成長は同一に扱うべきものではないと判断し、違和感があろうがなんだろうがこの部分は完全にオミットしました。拡大方向にあるゲームにおいて、成長とは変化であり喜びです。例え自分のプレイングに問題があろうと、成長できないことはストレスにしかなりません。そして、そのストレスが楽しさに繋がるかと言うと、これはどうなんでしょうね。
俗に言う「しゃがみ」と言う状態も、その後に通常よりも大きな成長、成功体験があるから耐えられるとはよく聞きます。ただ、100分を超えるゲームで、そうしたシーソー的ギミックを入れるのはちょっと怖い気がします。調整が難しいのもそうですが、見え難い逆転装置はストラテジーの根幹部分を揺るがす可能性があるからです。なのでそれよりも簡単な、そもそもストレッサーを作らない方向で落ち着けることにしました。
もうこれについては良い世界観が全く思いつかなかったので、全てを諦めてフォローも特にしていません。
長々と書いてしまいましたが、結局の所、ゲーム制作は再現性とゲーム性のせめぎ合いです。
再現性を突き詰めればルールブックが数十頁もあるアメゲーみたいになり、ゲーム性を突き詰めればアブストラクトゲーになります。どっちが良いか、という話ではなく、「ターゲットはどこに位置しているのか」ということを常に念頭に置くことが重要で、今回についてはそれがややゲーム性よりだったのでそっちを重視した。と言うことになります。
これが拙作『Testament』であれば、ターゲットはコアな『FF14』ファンなので、そういう明確な狙いがあるならもっと再現性よりに舵を切っていたかも知れません。
判断に迷った場合は、まずターゲットを考えて、どこを重視するのが一番面白くなるかを考えるのが良いんじゃないかと思います。
HISTORY
ゲーム企画段階からの変遷と覚書です。ゲーム制作時に何らかの参考になるかも知れません。