■■ アジアンデリバリー 草案1 ■ 問題点  全体的に各要素が生きていない。  大まかに言えば方向性がチグハグな感じがする。まず、輸送をメインにするなら、遠くへ運ぶ程に点が高くなる。と言う仕組みにし、輸送手段を限定的かつ豊富に用意すべきだと思われる。現状だと、最も近くへ、最も輸送量の多いカードで、最も手早く運ぶのを繰り返す以外にやることがない。  この方向性でいくのなら、公共交通機関をもっと増やして、各自微調整で配達先を変えられる、ぐらいのバランスにする必要がある。また、移動した距離を元にVPを再計算させるか、あるいはマップを固定した方がいい。  ランダムマップを生かすのであれば、共通資源にして資源固定沸き、それをピックして指定エリアへ運ぶ、王道ピック&デリバリーゲームにする必要があると思われる。この場合、プレイヤーは豊富な移動手段を持ち、ピックしたアイテムを直接その移動手段に載せることで、所有権を表すような感じかと思われる。  どっちの方向性が良いかと言うと、後者はアジアンパンクにする必要がないので、ちょっとどうかなー。という感じ。  一先ず、現在の大まかな問題点を洗い出してみる。  まず、ランダムマップについて、現状の7ヘクスタイルはほぼ意味がないので止めてしまっていいだろう。  それぞれ独立した地区にして、固有の役割を持たせてしまっても良いと思われる。  で、タイル数は固定で、それがランダムに並べられる。という形にしてしまう。  その上で交通機関を複数用意し、地区ごとにそれの駅があるかどうかをアイコンなどで設定する。交通機関は駅の多さ基準に4〜5ぐらいを想定し、定期巡回はなしとする。基本はどっかの駅に止まっていて、利用して他の駅についたら、そこにずっと止まっている。という弾丸方式にする。  複数のエリアに荷物を置いておくと効率が良い、という状況をもっと再現するには、受注方式をどうすればよいか。  まず基本として、受注カードを使い捨てにし、さらに複数枚得られるようにする。常に新しい目的エリアが提示されることで、1度の輸送でなるべく多くを運び、そこから先に細かく分配するような仕組みができるかも知れない。  あるいは、荷物を別の何か、例えば施設的なものに交換して、エリア支配に絡めるみたいな考え方もある。  その複合がいいかなー。  また、プレイヤー間でのインタラクティブ性を高めるべく、開始エリアは必ず同じとしてみる。  公共機関は無限搭載ではなく、最大積載量が決まっていてシェアする形にはなる。ただ、普通に考えて乗せれるだけ乗せるので、シェア方法を早いもの順以外にするなら何か考える必要がある。基本的に、輸送はいかなる場合も運賃、手数料などは無用にするので、シェアする理由が殆どなくなるかも知れない。  基本はシェアして嬉しいが、一度に運べる量は減る。という方向性が良い。逆にシェアすればするだけ互いに嬉しい、例えば基本積載量が決まっていて、基本料+シェア人数みたいな計算式になってたりすると、今度は乗らないと単に損という事態になり、これもまたどうかなという感じ。  やはり、金を導入するしかないか。  最低基本金がシェア人数に応じて減る。みたいな感じ。多分、交通機関毎に基本金が設定されていて、シェア数が1増える毎に1減り、最低1金になるとかかな。  問題は、シェアした際に行先はどうなるか。という部分か。多分、最初の1人が決定する、が良いかな。  受注カードと輸送カード(トラック/自転車など)は分けた方がいいかな。  結局、手札が多すぎると管理し辛いという問題もあり、そもそも回収がかなり受注システムと合っていなかったので分離した方がいいかも知れない。  受注カードについては、何らかのタイミングで取って来て置く。最大枚数があり、効率よく達成できないと溢れて捨てるハメになる。  その他のカードは手札から使えるとして、これは全部使ったら回収で良いと思われる。常時効果も従来同様。回収されるまでは永続的に使える。これにより、手札を増やすのは結構大きなアクションとする。  受注カードとアクションカードはどうやって獲得する形にしようか。  受注カードについては、毎ラウンド自動取得でもいい。多分、最大5枚置きとかにして、初期枚数を3枚。毎ラウンドに2枚追加? 仮に6ラウンドぐらいやるとして、15枚ぐらい。4人で60枚。まぁ、そんなもんと言えばそんなもんかな。  だが、ちょっとつまらない。ラウンド数を12にして、通常1枚補充にする。で、もしも1枚もない、つまり全て同時に達成していた場合、3枚補充できるとする。  これなら、複数のエリアに荷物をちょっとずつ送り、同時達成するのが有効な手段にもなる。  で、通常のカードプレイは1手番に1回とする?  12ラウンドするなら、ここは限りなくシンプルな方が良い。  だが、さすがに少なすぎる気がする。また、荷下ろしは自動的に行われるとしても、荷揚げに1アクションかけるのはよくない。荷揚げもアクションなしで、だが、金が減る。そんな感じか。  となると、アクションも同じ方式で、1枚は無料で使えるが、2枚目以降は金がかかる。2枚目1金、3枚目2金、4枚目3金、つまり、「X枚目(X−1)金」という感じ。  回収とアクションは別の項目として、例えば、1手番に1回カードを得るか、カードを回収するかの選択肢があるとする。つまり、カードを得たら、カードは回収できない。逆もまた然り。  つまり、手番の流れとしては……  受注カードの補充。通常1枚、空なら3枚。  アクションカードの補充か回収  荷揚げするならする。  アクションカードの使用。2枚目以降から金がかかる。  こんな感じか。  次にデリバリー周り。  まず、距離と個数の関係をどうするか。全員の拠点の位置を同じにした場合、酷い話どの場所であっても全プレイヤーの距離は同じなので、実は考えなくても良い、という話はある。なので、距離というよりは、目的エリアの例えば繁栄度的なパラメータがあり、それを基準に計算する。というやり方はある。  で、繁栄度が上がれば、そこへのデリバリー価値が上がる、という感じ。  ただし、受注カードは回収して再利用しない関係上、都市に繁栄要素を設けるのであれば、何か別の目的があった方がいい。後、初期配置でたまたま近くに大都市があり、たまたまそこへのデリバリーカードをたくさん引いた場合、とにかく有利になる。という可能性がある。ので、初期セットアップ方法に気をつけなければならない。  構造的な問題になるかも知れないが、効率の良い都市の受注カードを集めて、まとめてそこで処理する方法がやはり一番良い、ということに普通はなる。  ただ、選択式にカードを取れないというのも問題だし、ランダムに配るにしても偶然まとめて同じ目的地のカードが入った方が得、という状況になってしまう。  なら、既に配達を終えた都市については、報酬がちょっと下がる。というのはどうか。  受注カード自体は達成したら保持しておき、同じエリアへの配達は−1VPされるとか。同じ所はちょっとだけ効率落ちる感じ。  エリア数をいくつ作るかにもよるんだが、まぁ、343で10枚ぐらいかなぁ。それで12ラウンドであれば、一通り回すことは可能なので、下がっても良いかも知れない。  ただ、現実には即さない。同じ場所を選び続ければ、普通に考えれば効率が上がりVPが増えてくような気がする。減ったりする合理的な理由がない。  んー  例えば、プレイヤーの究極的な目標は、この町のあらゆるエリアにネットワークを作ることにあるとする。  その場合、既に開拓したエリアの価値は下がり、未開拓のエリアの価値が上がる。ということにはなる。いわゆる権益の拡大。ならば、最後にデリバリー数でマジョリティ争いするのが最も理に適っている。とは思うが、うーん、またもマジョリティか。。という感じもある。  マジョリティを導入するのであれば、まぁ、繰り返し達成によるマイナス処理は入れなくていいかな、という感じではある。この場合、マジョリティは、つまり「シェア」となる。  まぁ、テーマ的には合ってるし良いとするか。  次に、エリアに対する建設要素を付けるか否か。  付ける場合、多分シェアに関連するだろう。その他にも、何か特殊な効果があるかも知れない。  例えば、1つのエリアに建てられる施設は全て決まっているとする。で、1エリアに同じ施設は1つしか建てられず、これは最後のシェア争いに影響する他、特殊な効果があるとする。  で、これらを考える前に、まずエリアの基本的な仕様を決める。  まず、各プレイヤー毎の荷物置き場がある。これで各プレイヤーカラーは必要なく、荷物にランクという概念を設けられる。荷物置き場の最大数は、おそらく4個ぐらいだろう。受注の達成形式は、最低必要数と、追加で消費するとボーナスVPという形式にし、まぁ、2〜4ぐらいで調整が付くようにしてもよい。  次に、施設。5つぐらいを用意。基本は、荷物1個を消費して早い者勝ちで建設。で、次に建てるには2個いる。的な感じで、最終的に5個必要? それだと基本数に合わないので、まぁ、一先ず施設4個ぐらい? あるいは、運んで消費ならOK(要は、ラウンド終了時に消費されずに残っていたら捨てられる方式)もあるので、5個でも良いかも知れない。  後は、公共機関の駅。公共機関は5つぐらいとして、そのアイコン。うーん、メインは4つにして、5つ目は施設で駅を作るとか面白いかも知れない。駅さえ作れば、全エリアどこでも行ける的な。  こうなると、最初に基本アクションカードとして、「荷物アップグレード」「荷物1エリア輸送2個」「建設」みたいな感じで持ってるといいかな。  最後の問題として、金はどうやって稼ぐのか。  デリバリーによって得られるのが真っ当ではあるが、つまり効率よくデリバリーすると効率よく金が手に入り、アクション数の増加によりより効率的に、と差が拡大しすぎる危険性がある。というか、多分そうなる。  いっそ割り切った考え方として、自動給金以外ないというやり方もある。ただ、それだと公共機関が使えなさすぎか。金は最終的にVPに絡めるとして、アクションに金を絡めるのが不味いか。ただ、ゲームの構造的には回収と補充は択一行動なので、いくら金に飽かせてアクションを1手番で使い切ろうとも、次の手番は1枚補充か回収なので手は狭まる。さらに言えば、継続効果も意味を失うので、実は別に気にしなくても良いかも知れない。  で、デリバリーで得る場合、金とVPを同時に得ることになり、操作的にはやや煩雑。なので、カード効果と施設効果で自動収入。で良いかも知れない。  あるいは、いっそデリバリーでは金しか手に入らず、VPはシェアによって決まる。ぐらいでも良いかも知れない。個人的には、これが一番しっくりくるかな。  建設もカードによって決まるのであれば、建設→パス→建設…で、そのままなら最大6施設ぐらい。追加で得られるカードは、初期より効率の悪い建設カードとし、それらを駆使しても大体10施設ぐらいか。うーん、実はそんなに建てられないような気がする。  最後に施設案。施設は、それだけでシェア+1であるとする。  「倉庫拡大(最大荷物数×2)」「事務所(報奨金+1)」「駅(特殊交通機関/使用できるのは建てたプレイヤーだけ)」「市場(荷物自動ランクアップ&後からランクアップ)」「問屋(荷物最大数+1)」  後は、荷物の管理をどうするか。  まず、プレイヤーは最初に12個ぐらい持ってるとする。ランクアップの場合、手元にあるヤツを1度捨ててランクを上げる必要がある。これは基本的に手持ちのものにしかできないようにする。  で、荷物をどこかのエリアに配置すると手元からなくなる。消費したら手元へ戻る。最大数が増えた場合、新たに最低ランクの荷物1個をストックから得る(ただし、最大数はある)。  と、こう考えると特に問題ないような気がする。  公共機関はどうするか。以下、駅の多いもの順  エリア数は10で、内スタートエリアにデリバリーはないので、実質9エリアとなる。  輸送車 6エリア  気球船 5エリア  列車  4エリア  船   3エリア  飛空艇 最大9エリア  積載数は基本なし。目的地に置けるだけで、置ける以上に持って行くことはできないとする。5つ目の施設については、カード効果などでフォローするとして。  基本料金は固定値か、あるいは目的地エリアまでのマス数か。マス数かなぁ。最低1金かかるとする。隣のエリアでも1金。だが、これはアクションを使用せず運べるので、1金の価値はあるかも知れない。  問題はインターフェイスか。最初に利用を宣言したプレイヤーがどこを目的地にするか決める訳だが、それを表すものがない。トークンでも置くか? まぁ、一番分かりやすい解決方法ではある。  順番決めをどうするか。  個人的には時計回りでいいかな。12ラウンドなら、2〜4までなら不公平感が発生しないし。5人なら、10ラウンドにして初期セットアップで何かボーナスが得られるようにするのがいいだろう。対応しないでも別に良いとは思うが。 ■ 概要  アジアン異世界の大都市、蓬旦(ホータン)で運送業を開業しよう! ■ コンポーネント  3〜5人用 ◇エリアタイル(15枚)  蓬旦にある区画(エリア)を表すタイルです。  1つのエリアは7つの地区に分かれています。中央の地区は役所で、エリア番号を表す数字が設定されています。  それ以外の地区については、「駅」「港」「繁華街」「住宅街」「貧民街」などがあります。 ◇アクションカード(90枚)  自分の行動と、受注した仕事の両方を表すカードです。  アクションに用いる場合、特殊な効果や輸送可能な荷物数などが設定されています。  受注に用いる場合、輸送の目的地、必要な荷物数、達成時に得られるVP(=金)が設定されています。 ◇荷物キューブ(80個)  荷物を表すキューブです。  各プレイヤー毎に色分けされています。 ◇事務所トークン(5個)  事務所を表すトークンです。  各プレイヤー毎に色分けされています。 ◇列車コマ、船コマ(各1個)  公共の輸送機関である列車と船の現在地を表すコマです。 ◇列車カード、船カード(2枚)  列車と船に積まれている荷物を管理する為のカードです。 ■ ゲームの準備 1)蓬旦の作成  エリアタイルを配置して蓬旦の町を作ります。  下図のようにタイルをランダムに配置してください。    □  □□□□   □□□  □□□□    □ 2)各種カードの準備  アクションカードをよくシャッフルして山を作り、各プレイヤーに6枚ずつ配って手札としてください。  次に、山から5枚引いて、表向きにして【契約置き場】に並べてください。 3)列車と船の準備  列車カードと船カードを、タイル脇の適当な位置に配置します。  次に列車コマを、駅のある「最もエリア番号の小さい」タイルの、【駅】へ配置します。同様に船コマを、港のある「最もエリア番号の小さい」タイルの、【港】へ配置してください。 4)プレイヤー準備  各プレイヤーは自分の色を決め、その色と同じ事務所1個、荷物16個、ワーカー2個を受け取ってください。  次に、じゃんけんなど任意の方法でスタートプレイヤーを決定し、スタートプレイヤーから時計回りで事務所の位置を決定します。「まだ事務所が配置されていない」外周の好きなエリアを選び、そのエリアの中央の【役所】に事務所を配置してください。 ■ ゲームの進行  本ゲームはラウンドという単位で進行し、13ラウンド目が終わった時点で、最も多くのVP(=金)を得たプレイヤーがゲームに勝利します。  各ラウンドの流れは以下の通りとなります。 1:メインフェイズ  スタートプレイヤーから時計回りで順番に手番を行います。  手番になったら、「契約3回」か「契約1回、行動1回」か「行動3回」のいずれか1つを行うことができます。 ○契約  契約1回につき、【契約置き場】にある好きなカード1枚を手札に加えるか、あるいは自分の捨て札と【設備置き場】にあるカードを全て手札に戻すことができます。  【契約置き場】からカードが減ったら、即山から補充してください。山が尽きたら、それ以上補充は行われません。  また、手札の最大枚数は12枚となります。12枚を超えたら、直ちに12枚になるよう不要な手札をゲームから取り除いてください。この取り除いた手札1枚につき、1VPを得ることができます。 ○行動  行動1回につき、手札1枚をプレイするか、あるいは「荷揚げ/荷下ろし」することができます。  プレイしたカードが「設備」だった場合、【設備置き場】へ置いて、以後手札へ戻されるまで特殊効果を常時適用することができます。  プレイしたカードが「輸送」だった場合、事務所にある荷物、あるいは既に輸送されタイル上の地区に置かれている荷物を、運ぶことができます。  まず、運ぶ荷物数を最大積載量以下で決定します。  次に、移動力1につき隣接するタイル1枚分移動するとし、移動力以下で好きなタイルへ荷物を輸送することができます。ただし、移動先のタイルに空いている「住宅街」が必要となり、さらに置ける荷物の最大数が決まっています。最大数を超えて荷物を置くことはできず、1回の輸送で複数の住宅街に分割して置くこともできません。また、既に自分の荷物が置かれている住宅街があり、かつ空きがあればそこに置くこともできます。 ・荷揚げ/荷下ろし  列車、あるいは船が、自分の事務所か荷物のあるタイルにあった場合、荷物を積んで運んでもらうことができます。列車と船に最大積載量はありませんので、好きなだけ荷物を積むことができます。また、既に他のプレイヤーの荷物が積んであっても問題ありません。  もしも、既に列車、あるいは船に荷物が積んであった場合、それを下ろすこともできます。  現在列車、船のあるタイルに、好きなだけ荷物を下ろしてください。ただし、通常の輸送と同じく、住宅街に置ける荷物の最大数は守る必要があり、複数の住宅街に分割して下ろすこともできません。 2:契約達成フェイズ  全てのプレイヤーが手番を終えたら、各プレイヤーは手札の中に達成条件を満たしているものがあれば、それを好きなだけ捨て札にし、設定されたVPを得ることができます。  達成条件は、指定されたエリア番号のタイルに、指定された数だけ荷物があれば(複数の地区に分けて置かれていても可)条件を満たします。  達成したら、荷物をタイルから取り除いて手元へ置いてください。ただし、取り除く際はまず1つの地区の荷物を全て取り除き、足りなければ他の地区を1つ選んで取り除く、というように、複数の地区から地区に荷物が残るように取り除くことはできません。 3:ラウンド終了  列車と船のコマを、それぞれ時計回りで最も近い【駅】、【港】のあるタイルへ移動させてください。  それが終わったら、スタートプレイヤーを1つ左隣へ移して、新しいラウンドを開始します。  13ラウンド目であれば、ゲーム終了となります。  この時点で最も多くのVPを得ているプレイヤーがゲームに勝利します。同値なら引き分けとしてください。