■■ アジアンデリバリー 草案8 ■ 問題点  公共機関の使い勝手が悪い、というか処理が厳しい。  公共機関の主な問題点は2つ。まず、基本@からどこかへしか運ばず、途中乗車がまずあり得ない。  要は、ちょっと時間はかかるが、大量の荷物を遠くのエリアへ運ぶだけの手段と化している。  そして、そのスピードが完全に固定であり、1ゲーム中に2週しかしない。  最終的な形として、もっとグルグル回っていて、タイミングを合わせて乗せたり下りたりする、ベルトコンベヤー的な形に持っていきたい。  まず乗り物のスピードをどう処理するかなんだが、理想としては6ラウンドあるなら6週して欲しい。最低でも3週。  例えば、ラウンド終了時に各自下ろしたい場所に下ろす。みたいな感じにすれば、途中乗車はなくなるが一応6週することになる。が、それは完全なやり得なのでどうか。  もうあきらめて、なかなか帰って来ない的なものとし、ターミナルを増やすのもありか。  んー、例えば、乗せる時に目的地を決めるとする。で、基本は目的地を回ってから帰るとする。  つまり、行ける先が6エリアあっても、乗せた人が2エリアを指定した場合、その2エリアを回って帰ることになる。もしも4人がバラバラの目的地を設定した場合、1週するのに4ラウンド必要ということに。ただ、これだと巡行順番が物凄く大きな意味を持つ。このルールだと、基本は全員同じ場所を選んで相乗りするだけで、違う場所を選ぶ理由は一切なくなる。  まぁ、結局の所、一番理にかなった解決方法は、船や列車の便数を増やすことか。  コマを増やして、それぞれに専用置場を紐づけするのは処理的に無理がある。ので、例えば乗せた際に目的エリアを指定する。そして、指定エリアまでの所要時間をタイムカウンターとして乗せる。これをラウンド終了時に取り除き、なくなったらいつでもそのエリアに下ろせる。という形か。  この場合、目的エリアを表す何かが必要となる。あるいはボードに書くか。  いっそのこと、途中乗車をなくしてしまい、目的地までの必要時間数分のタイムカウンターを置く、というのはどうか。で、全部なくなったら、そのエリアに下ろす。問題は、最初の段階でどこへ向かうか設定されていないため、いざタイムカウンターがなくなった時に下ろすエリアを間違える可能性が高い。なら、どちらにしろ目的地表記は必要で、途中乗車も削る必要なくなる。やはり、荷札という目的地マーカーを付ける必要があるなぁ。  で、この方式にした場合、駅数はあまり関係なくなるので、もう少し増やしてもよいということになる。 (!--大まかな変更点--) ・各エリアに配置できる荷物の最大数制限を設置。プレイヤー人数×2だけ配置可能 ・公共機関の基本仕様をもとに戻す。ただし、6ラウンドにした関係上、各プレイヤーの手番時に「荷下ろししてなければ」次のエリアへ移動するよう変更。逆に言えば、荷下ろししたら動かない。 ・施設効果を一部変更 ・MPを1減らし、基本プレイ枚数を1から2へ変更。それに伴い、回収時のMP回復も必要枚数増加 ・スタP固定 ・決算方法を変更 ■ 概要  アジアン異世界の大都市、蓬旦(ホータン)で運送業を開業しよう! ■ コンポーネント  3〜4人用 ◇エリアボード(10枚)  蓬旦にある10の地区(エリア)を表すゲームボードです。  各地区にはエリア番号と、ターミナルアイコン、施設、倉庫(プレイヤーの荷物置き場)などがあります。 ◇依頼カード(45枚)  受注した仕事を表すカードです。  仕事には「パワー(赤)」「クール(青)」「サービス(黄)」「ダーティー(緑)」の4種類があり、ベースカラーで色分けされています。その他にも、輸送の目的エリア、必要な荷物とランク、達成時に得られるVP(=名声)などが設定されています。 ◇事業カード(40枚)  依頼と同じ4色があり、使用することで適用されるアクション効果が記されています。 ◇ベースカード(16枚)  プレイヤーがゲーム開始時から所持している事業カードです。  4枚1組でプレイヤー人数分あり、ゲーム中で行える基本的なアクションの内容が記されています。 ◇サマリーカード(4枚)  プレイヤー毎に色分けされたサマリーカードです。 ◇荷物キューブ(60個/20個/10個)  荷物を表すキューブです。  荷物には「梅(Low)」「竹(Normal)」「松(High)」の3つのグレードがあります。 ◇施設トークン(40個)  エリアに建てた施設を表すトークンです。  各プレイヤー毎に色分けされています。 ◇VPボード、VPマーカー(1枚/4個)  清算時などに使用する、各プレイヤーのVP(=名声)を表すボードとマーカーです。 ◇スタートプレイヤーマーカー(1個)  スタートプレイヤーを表すマーカーです。 ◇ワーカーポーン(12個)  プレイヤー毎に色分けされたポーンです。各3個ずつあります。 ◇乗り物コマ、乗り物カード(各1セット)  公共の輸送機関である「列車」「船」を表すコマと、それらに積載された荷物を管理するカードです。 ■ ゲームの準備 1)蓬旦の作成  エリアボードを配置して蓬旦の町を作ります。  @のエリアボードを取り出した後、下図のようにボードをランダムに配置してください。   □   □□  □□□   □□   □  この時、港のあるエリアが中央エリアに配置されてしまった場合、他の港のないエリアと位置を交換する必要があります。下図を参照に、優先順位の高い順にエリアを交換してください。   □   E@  D◆A   CB   □  最後に、@のエリアボードを配置します。  下図を見て、「駅」と「港」に隣接しない、最も優先順位の高い場所に配置してください。   I□@   H□□A  G□□□B   F□□C   E□D 2)プレイヤー準備  サマリーカードをよくシャッフルして各プレイヤーに1枚ずつ配ります(3人プレイの時は、Sマークの付いていないサマリーカードを1枚除外し、シャッフルして配ってください)。  この配られたサマリーカードの色が、このゲームにおける各プレイヤーの色を表します。また、サマリーカードにSマークが付いていたら、そのプレイヤーが最初のスタートプレイヤーになります。  次に、各プレイヤーはサマリーカードと同じ色の施設10個、ワーカー4個、VPマーカーを受け取ります。そして、VPマーカーをスタートプレイヤーから時計回りで順番に「0」「1」「2」「3(4人プレイ時)」の位置に配置してください。  配置したら、L荷物を10個受け取り、ベースカード1組(4枚)を手札としてください。 3)各種カードの準備  依頼カードをよくシャッフルして山を作り、各プレイヤーに2枚ずつ配ります。受け取ったら、表向きに各自の【受注置き場】へ置いてください。  次に、山から4枚引いて【依頼置き場】に表向きで並べてください。  それが終わったら、事業カードをよくシャッフルして事業山を作り、同じく山から4枚引いて【事業置き場】に表向きで並べてください。 4)各種交通機関の準備  乗り物カードをゲームボード脇の適当な位置に配置します。  次に乗り物コマを@のエリアボードにある【ターミナルアイコン】に配置してください。 ■ ゲームの進行  本ゲームはラウンドという単位で進行し、6ラウンド終了時に中間決算を行い、3ラウンドが終わるとゲームが終了します。  そして、ゲーム終了時に最も多くのVP(=名声)を得たプレイヤーがゲームに勝利します。  各ラウンドの流れは以下の通りとなります。 〇エリアの荷物制限  @を除く、各エリアに配置できる荷物の数は、グレードに関わらず、全プレイヤー合わせて”プレイヤー人数×2”個となっています。  この制限数を超えて、そのエリアに荷物を輸送したり、荷下ろししたりすることはできません。 〇カードの補充  【依頼置き場】と【事業置き場】からカードを得た場合、即4枚になるよう各山からカードを補充してください。  もしも山が尽きていた場合、捨て札をリシャッフルして新しい山にしてください。捨て札もなければ、それ以上補充することはできません。 1:メインフェイズ  スタートプレイヤーから時計回りで順番に手番となります。  自分の手番になったら、2回までアクションを行う(=手札を2枚までプレイする)ことができます。  使用したい手札を【プレイエリア】へ配置し、その効果を適用してください。  この時、常駐アイコンがあれば、【プレイエリア】内の少し離した位置に配置してください(常駐アイコンのないカードと、あるカードが混ざらなければそれで問題ありません)。  配置後、そのカードの効果は手札に回収されるまで持続します。テキストの指示に従って、適切なタイミングで効果を適用してください(これは1度限りでなく、条件を満たせば何度でも適用されます)。ただし、同じ名称の常駐アイコンの効果は重複して適用されません。 〇追加アクション  MP(マンパワー)を支払うことで、追加のアクションを行うことができます。  手元にあるワーカー1個を「@のエリアボード」へ配置し、追加で1回アクションを行ってください。  これはMPが残っている限り、何度でも行うことができます。 〇荷積み/荷下ろし  列車、船のコマが配置されているエリアに自分の荷物が配置されていたら(@のエリアボードに配置されている場合は手元にある荷物)、それを好きなだけ積み込むことができます。荷物を、荷積みした乗り物カードの上にある、自分の色の置き場へ移動させてください。  既に自分の荷物が配置されている乗り物があれば、それを現在泊まっているエリアの自分の【倉庫】へ好きなだけ配置することもできます。ただし、制限数を超えて配置することはできないので注意してください。  この荷積み/荷下ろしは(その手番中の間)何回でも好きなだけ行うことができ、また複数の種類の乗り物でも行うことができます。 〇人力輸送  1手番中に1回だけ、手札1枚を【プレイエリア】へ裏向きに配置することで、MPを消費することなく輸送を行うことができます(※詳細は後述)。  アクションを終えたら、自分の手番を終了します。  【依頼置き場】と【事業置き場】から、好きな組み合わせで2枚を自由に得て、各置き場を補充してください(得た依頼カードは【受注置き場】に、事業カードは手札に加えます)。ただし、【受注置き場】には最大5枚までしか配置できません。5枚あったら新しく依頼カードを得ることはできないので、事業カードの方を得てください。  また、6ラウンド目(=最終ラウンド)であれば、この処理を行いません。  次に、この手番中に荷下ろしを「しなかった」乗り物コマを、エリア番号の小さい順に従って、次の【ターミナルアイコン】のあるエリアへ移動させてください。  最後に、必要があれば回収を行うことができます(行わなくても構いません)。  回収したら、以下の処理を行ってください。  まず、自分の【プレイエリア】にある全てのカード(縦置き、横倒し)を手札に戻します。  この時、回収した「表向きで配置されたいたカード(=人力輸送で、裏向きにプレイしたカードを除く)枚数」に応じてMPを回復します。   〜3枚:0   4 枚:1  5〜6枚:2  7〜 枚:3  回復したMP分だけ、@のエリアボードに配置されている自分のワーカーを手元へ戻してください。 ◎基本効果  ベースカードや事業カードに以下の効果があった場合、専用の処理を行う必要があります。 〇依頼達成  自分の【受注置き場】にある好きな依頼を達成します。  各依頼カードには「エリア番号」「必要な荷物の数とグレード」が書かれているので、該当するエリアの自分の【倉庫】に指定された荷物があれば、それを消費して依頼を達成することができます。  依頼を達成したら、消費した荷物を取り除いて手元へ戻します。この時、L以外の荷物(=N、H)は手元へ戻さず【ストック】へ戻し、代わりにアップグレード時に除けておいた荷物を同数だけ手元へ戻してください。アップグレードした荷物は消費されるとL荷物へ戻り、荷物の総数は変わらないということです。  そして、達成した依頼カードを自分の【達成置き場】へ置き、指定されたVPを得てください。  また、条件を満たせるのであれば、複数の依頼を達成することもできます。 〇輸送  自分の荷物が配置されているエリア(手元にある荷物を運びたいなら@のエリアボード)を1つ選び、隣接するエリアへ指定された数だけ荷物を運びます。この時、グレードは関係なく、L荷物もN荷物もH荷物も、全て1個として数えてください。  また、輸送可能エリアが2エリア以上あった場合、隣接するエリアを歩数で数えてください。  ただし、制限数を超えて輸送できませんので注意してください。 〇人力輸送  ベースカード、事業カードの共通面の効果で、基本的には通常の輸送と同じです。  隣接するエリアに、荷物を1個運ぶことができます。  ただし、制限数を超えて輸送できませんので注意してください。 〇アップグレード  アップグレード1回につき、自分の「手元にある」荷物を1個選んで、1段階グレードをアップします。  複数回アップグレードできる場合、同じ荷物を連続でアップグレードすることもできます。  アップグレードしたら、対象の荷物を除けておき(N荷物だった場合は【ストック】へ戻す)、【ストック】から取り出したアップグレード後の荷物と差し替えます。ただし、【ストック】にアップグレード後の荷物がない場合は、アップグレードすることはできません。 〇在庫補充  L荷物を【ストック】から追加します(=総荷物数が増える)。  ただし、【ストック】にあるL荷物が不足していたら、ある分だけしか追加できません。また、アップグレードで除けた荷物を追加することもできません。 〇建設  各エリア(@のエリアボードを除く)毎にある4つの施設の内、まだ建設されていない好きな施設を建てることができます。  建設にはL荷物を1、N荷物を2、H荷物を3として、”そのエリアに建設されている施設数+1”のコストが必要となります。例えば、2つ目の施設であれば2、4つ目の施設であれば4のコストが必要ということです。  コストは、そのエリアにある自分の【倉庫】に配置されている荷物から支払う必要があり、また多く支払ったとしてもお釣りは発生しません(初めて施設を建てるエリアにHランクの荷物しかなかった場合、など)。支払ったら、依頼達成と同じように手元、あるいは【ストック】へ荷物を戻してください。  施設には以下の種類があります。 ・事業所  【事業置き場】から好きな1枚を得ます。最大枚数でなければ、【依頼置き場】から得ることもできます。  さらに、回収時に”全エリアにある、自分の事業所の数”分だけ、常駐アイコンのある手札を回収せずに【プレイエリア】へ残しておくことができます(この残したカードは、回収枚数に数えられません)。 ・問屋  手番開始時に、このエリアに自分の荷物が1個でも配置されていたら1VPを得ます。 ・市場  直ちに”現在のラウンド数”回だけアップグレードを行います。  以降は、手番開始時に「このエリアにある」自分の荷物を1回アップグレードします。 ・転移門  直ちにこのエリアへ、手元にある荷物を”現在のラウンド数”個まで配置することができます。  以降は、手番開始時にこのエリアへ、手元にある荷物を2個まで配置できます(配置しなくても構いません)。  また、これは輸送ではありませんが、輸送と同様に制限数を超えて配置できませんので注意してください。 2:ラウンド終了  全プレイヤーが手番を終了したらラウンドが終了します。  新しいラウンドを開始してください(スタートプレイヤーは変更されません)。  もしもこれが3、6ラウンド目の終了時であれば決算を行います。  決算終了後、新しいラウンドを開始してください。ただし、2回目の決算である6ラウンド目は最終決算となり、そこでゲームが終了します。 〇決算  【達成置き場】にある依頼カードを、各色毎に数えてシェア判定をします。  各色について、最も枚数の多いプレイヤー(複数いたら、その全て)は、所持カード(=手札と【プレイエリア】にあるカード)にある同色のカード1枚につき1VPを得てください。  それが終わったら、【依頼置き場】と【事業置き場】のカードを全て捨て札にし、4枚になるよう各山からカードを補充してください。もしも山が尽きていた場合、捨て札をリシャッフルして新しい山にしてください。捨て札もなければ、それ以上補充することはできません。 〇最終決算  【達成置き場】にある依頼カードを、各色毎に数えてシェア判定をします。  各色について、最も枚数の多いプレイヤー(複数いたら、その全て)は、所持カード(=手札と【プレイエリア】にあるカード)にある同色のカード1枚につき2VPを得てください。  次に、@のエリアボードを起点にして、自分の施設があるエリアを一筆書きで通り、その”通ったエリア数×2”だけのVPを得ることができます。  これらのVPを合計し、最も多くのVPを得たプレイヤーがゲームに勝利します。同値なら達成した依頼数の多い方が勝利します。それも同じなら引き分けとしてください。