制作を終えて
 先に発表した『オフィル 神秘の黄金郷』のセルフリメイクです。
 自分では面白いと思ってたんだけど、これがまた近年トップクラスで振るわなかったので、何がよくなかったのか検討しつつ、同一コンセプトで秘匿情報なし、一発逆転要素なしという縛りを付けてルールを再構築しました。なので、第1案の時点からそれなりに完成度が高く、開発自体は殆ど苦労せずスルスルっとできあがった感じです。
 最初、テーマは特にこだわりなく中世ヨーロッパで町造るゲームでいいかなーと思っていたんですが、余りに特徴がなくて全く
面白くない興味がわかなかったので、途中から発掘へテーマ変更しました。このテーマ変更により、「アクシデント(=発掘者が毒ガスやミイラに襲われる)」という要素が盛り込まれ、現在の形へと落ち着きました。このギミックの追加により、ゲームが断然面白くなったと思います。
 ただ、最終的なテーマは惑星開拓という、遺跡発掘のラッピング変えぐらいのものなので問題なかったですが、これが全然別のテーマになってたらこのギミックもまた変わっていたかも知れません。
 ゲームを作っていて思うのは、ゲーム中のギミックは必然性がなければならない、ということです。
 アブストラクトなゲームは門外漢なので何とも言えないんですが、やはりテーマのあるゲームにおいては、テーマに即したギミックがあると納得感が高まり、同時に臨場感も演出します。言ってしまえば、これだってナラティブの1種です。
 面白いギミックを思いつき、それがテーマとも合致する。正しく出会いの物。マリアージュ。
 勿論、そういうことも偶にあります。多くは偶然ですし、毎回狙ってできるなら天才です。
 それに対して、テーマからギミックを考えるのは努力次第で誰でも可能です。小説でも、漫画でも、映画でも、何でもいいので同じテーマの作品を見てください。そこに、話を面白くする為のギミックがいくらでも例示されています。
 勿論、それぞれのメディアに応じた表現がされているのでそのまま使うことはできませんが、工夫すればいくらでも応用が効く筈です。その工夫も、また努力の1つなのではないでしょうか。