規則正しく流れる電車の音が眠気を誘う。
窓の外に見えるはずの景色は夜の闇の中にすっかりその姿を消していた。
現在時刻は午後１０時５７分…。
そして、日付は１２月２３日…。
クリスマスイヴを明日に控え僕は長崎へ向かう電車に揺られていた。
他に誰も乗客のいないこの車両で、僕は目的地で待っている一人の女性に思いをはせていた。
遠藤晶―それが彼女の名前だ。
今年に入ってから、この時間にこの行為を幾度繰り返したであろうか。
心が締め付けられるような、それでいて、浮き立ってくるようなこの感じ。
だが、今日のこれはいつもの感じとは少し違っていた。
傍らに置いてあるバックに目をやる。
その中には考えに考え抜いたプレゼントが収められている。
これを受け取ったとき、彼女はどんな表情を見せてくれるだろうか。
その期待感が、いつも以上の高揚感を与えてくれている。
ちゃんとプレゼントは入ってるだろうか…。
急にそんな不安がよぎり、僕はバックの中身を確認する。
実際の所、こうやって確認するのも６回目なのだが…。
大切なものだけに、いくら確認しても「何時の間にかなくなってしまっているのでは…」という不安をぬぐいきれないのだ。
そして６回目の確認でもそれは今までと同じようにそこにあった。
僕が晶のために選んだプレゼントは―、