今までLinuxはSlackwareとPlamo、しかもサーバ用途でしか触ったことがなかったので、本格的にLinuxクライアントを始めてみようかとDebianをインストールしてみたのであります。
ちなみに使ったものは「今日からDebian GNU/Linux(芳尾 桂著、オーム社刊)」という本に付属のDebian2.0r6のCDROM。
インストールしたマシンは以下のようなスペック。こいつのプライマリスレーブに接続された2GのHDDにインストールを試みました。
名称 : zweihander(AT互換機) CPU : K6-2/300MHz GA : Millennium II PCI HDD : 6G + 2G (IDE) CDROM : ATAPI 32倍速 NIC : NE2000互換 |
フォーマット済みFDDを8枚用意しましょう。…って8枚!?( ̄□ ̄;
Plamoが2枚、Slackが3枚だったのに…どうやらDebianは最小限のカーネルとドライバはFDDから全てインストールするらしい。
しかし8枚のFDDをフォーマットするのも時間がかかる作業ですな…
ぼやいてても始まらないので頑張ってフォーマット。
ここはDOS(Windows)での作業。
まずCDROM(INSTALL DISK)内のtools\rawrite2\rawrite2.exeをパスの通ったディレクトリにコピーする。
ディスクイメージ書き込みツールらしい。わざわざパスの通ったところにコピーするのはフルパスでコマンド打つのが面倒だからなんだろうか。とりあえず
c:\windows\command
にコピー。
フロッピーにディスクイメージを書き込む。
書き込むものは以下の7つ。それぞれFDDラベルを忘れず貼っておこう。ちなみにCDROMはg:ドライブ。
g:\debian\hamm\hamm\disks-i386\japanese内の resc1440.bin (レスキューディスク) drv1440.bin (ドライバディスク) base14-1.bin(ベースシステム1) base14-2.bin(ベースシステム2) base14-3.bin(ベースシステム3) base14-4.bin(ベースシステム4) base14-5.bin(ベースシステム5) |
書き込み方は以下の通り。
dos# g:\ dos# cd debian\hamm\hamm\disks-i386 dos# rawrite2 -f resc1440.bin -d a: dos# rawrite2 -f drv1440.bin -d a: dos# rawrite2 -f base14-1.bin -d a: dos# rawrite2 -f base14-2.bin -d a: dos# rawrite2 -f base14-3.bin -d a: dos# rawrite2 -f base14-4.bin -d a: dos# rawrite2 -f base14-5.bin -d a: |
これでめでたくインストールディスク完成。
先ほど作成したレスキューディスクを使ってマシンを起動する。FDDドライブにレスキューディスクを入れて、Windowsを終了。
FDDが壊れてる、もしくはマザーボードのBIOS設定でFDブートできないようにしてあるなどがなければ、無事にDebianのインストーラが起動するはず。
起動はちょっと時間がかかる。2〜3分くらいみたほうがいいかも。カップラーメンでも作っとこう。
インストーラが起動すると、いきなり画面が暗転した後、
Did KON work?(y/n)
というメッセージが表示される。KONってのは漢字コンソールのことで、どうやら日本語表示のためにグラフィックカードのテストをやってるみたいですな。
しばらくNと入力し続けると、4回目に
文字が正しく表示されていたら、すぐ後の質問"Did KON work?(y/n)"
にYと答えてください。
と表示された。すかさずYと答えておこう。
インストーラを白黒モードにするか、カラーにするか選択する。
せっかくだから、俺はこのカラーモードを選ぶぜ!
Debianのインストーラは非常に親切なので、基本的にその指示に従っていれば問題ない。
キーボードの種類を選択。とりあえずjapanese-106を選んどこう。
IDE接続の2台目、2GのHDDを分割します。本を読むと、「/、/usr、/home、スワップ領域、とそれぞれパーティション分割しましょう」てなことが書いてありますが、別に2Gのでかい領域でも構わないんじゃないかなぁ?
まあとりあえずはこれに従って言われたとおりに分割しときます。
処理の対象は /dev/hdb となる。IDEのHDDは1台目、2台目、3台目…となるごとに、Linuxでは/dev/hda、/dev/hdb、/dev/hdc…と認識される。おぼえてといて損はないかな。
さて、それではパーティションを分割する。以下のように分割した。
400M Primary、bootable 1G Logical 550M Logical 残り Logical、Linux Swap |
bootableフラグやSwap領域のID設定は、メニューから簡単に設定できる。
先ほど設定したスワップ領域を初期化し、使用できるよう設定しする。
処理の対象はLinux SwapのIDが設定されたパーティションが自動的に選ばれるので、画面の指示に従ってEnterを押すだけでOK。
メニューの指示に従って、パーティションの初期化、マウントポイントの設定を行なう。
不良ブロックチェックをするか聞いてくるので、せっかくだからやっとこう。
1番目のパーティションのマウント設定が終わると、インストーラの指示では「OSカーネルとモジュールのインストール」を行なうようになっているが、2番目以降のパーティションをマウントする必要があるため、「別候補1:Linuxパーティションの初期化とマウント」を選択して残りのパーティションもマウントしよう。
マウントポイントは、以下のようになる。
400M: / 1G: /usr 550M: /home |
「1番目のFDDから」を選択し、画面の指示に従ってレスキューディスク、ドライバディスクをインストールする。
システムに組み込むデバイスドライバを選択する。モジュールのインストールの際、コマンドラインオプションを聞いてくるが、何も入力しなくていいのでEnterで飛ばしとこう。
以下のモジュールをインストールした。
セクション : モジュール cdrom : cdrom fs : nfs、smbfs、vfat misc : psaux、serial net : ne2k-pci、slhc、slip |
モジュールのインストールが終わったら、「前のメニューに戻る」で戻ろう。
以下のような設定を行なった。
ホスト : zweihander ドメイン : lo.ash.jp IPアドレス : 10.0.1.23 ネットマスク : 255.255.255.0 ブロードキャスト : 10.0.1.255 ゲートウェイ : 10.0.1.254 DNS : 10.0.1.1 ネットワークカード : eth0 |
「1番目のFDDから」を選択し、ベースディスク1〜5をインストールする。
(最初インストールした時、ベースディスク5がFD不良でもっぺん最初からやるはめに…)
日本を選ぶ。GMT使用はnoにしておく。
MBRをインストールする。
Debianをデフォルトにするかの質問にはnoを選択。Winも使いたいからである。
これでLinuxとWinのマルチブートだ!…と思いきやマザーボードが対応してないので2台目HDDからはブートできないのであった^^;
ここで8枚目のFDを用意する。
未フォーマットのでも作成できると本には書いてあるが、なんかうまくいかなかったので、フォーマット済みFDを用意しておいたほうがいいようだ。
これで、最小限のシステムがインストールされたので、再起動して細かな設定を行なう。
起動フロッピーをいれたまま再起動しよう。
Linuxが起動する(FD起動はやはり2〜3分かかる)と、ルートのパスワードを設定する。
次に一般のアカウントを作成しておく。(ルートではセキュリティの問題から動作できないアプリケーションがあるため)
とりあえずzweihanderというアカウントを作成した。
パッケージ選択をスキップするかどうか聞いてくる。ここではyと答えてスキップする。
後でおすすめパッケージをインストールするためだ。Debianのパッケージは尋常じゃない数があり、とてもじゃないが選びきれないのである^^;
後でおすすめパッケージセレクションをインストールするので、一旦「6.Quit」を選び、dselectを終了する。
これでOSのインストールは終了である。
続いて、アプリケーションのインストールを行なう。
本にあったおすすめパッケージセレクションをインストールするのが楽なので、それを行なう。
パッケージのインストールを行なうのは、rootでなければいけないので、rootでログインしよう。
インストール元がCDROMなので、CDROMをマウントする。
/dev/hdd(CDROMの位置)は、マシンによって異なる。
Linux# mount -t iso9660 /dev/hdd /cdrom -o -nojoliet |
パッケージ選択を楽にするものらしい。すかさずインストール。
インストール手順は以下の通り。おすすめパッケージセレクションの指定も行なう。
Linux# cd /cdrom/ohmsha Linux# dpkg -i apt_0.1.5.deb Linux# dpkg --set-selections < ohm-sel.txt |
CDROMをアンマウントし、CDをBINARY-DISKに入れ替え、再びマウント。
Linux# umount /cdrom Linux# mount -t iso9660 /dev/hdd /cdrom -o -nojoliet |
パッケージインストーラdselectを起動。
Linux# dselect |
以下のようにメニューを実行する(Selectはとばす)
・Access Method aptを選択。 Do you wish to change it? : y URL : file:/cdrom/debian Distribution : Enterを押してデフォルト選択 Conponent : main local non-US と入力 Would you like to add any changes? : N ・Update ・Install |
Installはものすごく時間がかかるので、飯でも食いながら気長にやろう。(K6-2/300でも30分OVER?)
所々で、アプリの設定を聞いてくるメッセージがあるが、基本的にEnterでデフォルト設定にしておけば問題はない。
ただし、以下のものには設定を行なっておく。
smail : 5を入力(パッケージの依存関係を満たすためだけにインストールしてるらしい) libpaperg : a4と入力(印刷の紙サイズ) lynx : デフォルトのURLを聞いてくるので、http://ash.jp/と入力 xfig : インチ法かメートル法か聞いてくるので、mでメートル法にしとく さらにモノクロかカラーか聞いてくるので、cでカラーにしとく xftp : モノクロかカラーか聞いてくるので、cでカラーにしとく XFree86 : Do you want to create the XFree86 Configuration file?と聞いてくるが Xの設定は後回しにするので、nと入力。 |
これで無事にdselectが終われば問題なし。
だが、結構途中で止まることがあるので、その場合は再度Installを選ぶ。(インストール済みのパッケージはちゃんと飛ばしてくれるので心配無用)
終わってdselectの画面に戻ったら、設定待ちのパッケージがあるか確認するため、Configを行なう。
Configで設定が終わった、あるいは何もせずにdselectに戻ってきたら設定が無事終わっているので、Quitを選びdselectを終了する。
ついでにXの設定をやっておこう。
Linux# XF86Setup |
XF86Setupが起動すると、まずマウスの設定を行なう。
このとき、マウスの設定が終わるまで、マウスに触れないこと。Xがマウスを認識してないのにマウスを動かすと、Xが固まってしまうことがあるらしい。
pキーでプロトコルを選択、カーソルキーとTABキー、Enterキーを駆使してマウスの位置を選択する。
プロトコル : PS/2 マウスの位置 : /dev/psaux |
選択ができたら、aキーを押して設定をapplyする。これでマウスが動くはず。
動かなかったら、プロトコルを色々選んで見てapplyする。
マウスが動いたら、感度なんかを色々好みに応じて設定するとよい。
applyを押さないと設定が反映されないので注意。
ModelはJapanese-106
LayoutはJapanese
で、apply。
グラフィックカードはMatrox Millennium II。
よくわからんので、とりあえずHigh Frequency SVGAを選んでおいた。
本来はディスプレイの規格を調べてやらないといけない。
1024*768から下をとりあえず全部選択。
特にいじる必要なし。
ここまで終わったら、Doneを押して終了する。
一旦Xが終了し、再度立ちあがって設定値のセーブをするかどうか聞いてくるので「Save the configuration and exit」を押して終了。
コンソールに戻ったら、起動テストすると良い。
Linux# startx |
これでパッケージセレクションのインストールは終了。
お疲れさまでした。