Unixに標準のMailを読み書きするツールとしては、mail、mailxなどがあるが、ここでは、MH(Mail Handler)を利用した、Mailの操作方法について説明します。
MHには、以下の基本コマンドがあります。
コマンド | 機能 |
---|---|
inc | 最新のメールを取り込む |
scan | メールの一覧を参照する |
show | メールを見る |
next | 次のメールを見る |
prev | 前のメールを見る |
rmm | メールを削除する |
comp | メールを送信する |
repl | メールの返事を出す |
forw | メールを転送する |
・inc メイルを取り込む incコマンドでMailディレクトリ配下に保存される。 incコマンドでmailコマンドでは、メールの参照はできなくなる。 ・scan 今までのメールの一覧を参照する。 メール番号、カレント記号(+)、返信記号(-)、発信者名、【内容】が表示される。 例:123 -Joe Masumura Test Mail.【メールのテストです。】 124+ postmaster User Unknown.【------ Transcript】 ・show メール番号 メール番号は、incコマンドやscanコマンドで表示される番号を指定する。 メールの内容を表示する。 ・rmm メール番号 メールを削除する。 不要なメールは、できるだけ削除すること。 ・comp メールを送信する。 viが起動されるので、以下の内容を記述する。 もし、起動時にDisposition?と聞いてきた場合、応答する。 rep 新規にメールを送信する場合 use 直前の作業ファイルを使用したい場合 To: 送信先のメールアドレス Cc: 写しを転送したい人のメールアドレス 自分のアドレスを記述すると送信したメールを保存できる。 Subject: メールの内容のタイトル 本文 送信するテキストを簡潔に記述する。 signature(差し出し人の情報) signatureは、ホームディレクトリ配下に.signatureというファイルを作成する。 引用する場合、:r ~/.sig*とする。ctrl+aでも引用できる。 例 ========================================================= 升村 丞 (Joe Masumura) Addr: 金沢市菊川1丁目9-6 TEL(FAX): 076-261-4921 E-mail: joe@ash.jp URL: http://joe.ash.jp/ ========================================================= viを登録終了(ZZまたは、:wq)するとWhat Now?と聞いてくるので、応答する。 send メールを送信する場合 q -d メールの送信をやめる場合 q メールの送信をやめる場合(作業ファイルを残したい場合) edit viに戻る場合 ・repl メール番号 メールを返信する。 viが起動されるので、以下の内容を記述する。 もし、起動時にDisposition?と聞いてきた場合、repと入力する。 To: 送信先のメールアドレスが自動設定される Cc: 写しを転送したい人のメールアドレスが自動設定される Subject: メールの内容のタイトルが、Re:を付加して自動設定される 本文 送信者のメールが引用されているので不要部分を削除する。 たとえ文章の途中でも、内容がわかる範囲で削除してかまわない。 signature(差し出し人の情報) 一般的には、返信する場合は、簡略して記述する。 例 joe@ASH viを登録終了(ZZまたは、:wq)するとWhat Now?と聞いてくるので、応答する。 send メールを送信する場合 q -d メールの送信をやめる場合 q メールの送信をやめる場合(作業ファイルを残したい場合) edit viに戻る場合 ・forw メール番号 メールを転送する。 自分へ来たメールを別の人へ転送したい場合に使用する。 viが起動されるので、To: フィールドに宛先を記述する。 もし、起動時にDisposition?と聞いてきた場合、repと入力する。 To: 送信先のメールアドレスを入力する。 本文 転送したいメールが引用されているので前後にコメントなどを付加する。 不要な部分は削除してもよいが、引用部分の内容を変更してはならない。 viを登録終了(ZZまたは、:wq)するとWhat Now?と聞いてくるので、応答する。 send メールを送信する場合 q -d メールの送信をやめる場合 q メールの送信をやめる場合(作業ファイルを残したい場合) edit viに戻る場合 ・plistm メール番号 メールを印刷する。 hnesで作成したメイル印刷用のシェルである。 詳細は、plistm ーhelpで参照できる。
Signature: Joe masumura 自分の名前を入力する AliasFile: aliases aliasファイル名を指定する
alias機能を使用するとメイルアドレスに別名が使用できる。 複数のメイルアドレスに対して別名を付けることもできる。 別名: メイルアドレス 別名: メイルアドレス, メイルアドレス, ・・・・・, メイルアドレス 以下にaliasファイルの定義例を示す usr1: usr1@ash.jp usr2: usr2@ash.jp all: usr1@ash.jp, usr2@ash.jp
メールアドレスは、ユーザ名@ドメイン名で指定します。 ユーザ名は、UNIXのログイン名と同じとします。
メールは、言葉しか伝えられないため、そのときの気持ちなどを伝達することはできません。
そこで、「フェースマーク」が使用されることが多いです。
この「フェースマーク」により、自分の気持ちなどを相手に伝えることができます。
以下に、「フェースマーク」の例を示します。
(^_^) スマイル (^_^)v ピース !(^o^)! 万歳 (*_*) びっくり (;_;) しくしく (^ ^); ひやひや m(_v_)m ぺこり (-_-)zzz すやすや |
MHでは、フォルダを使用してメイルを分類して保存することができます。 デフォルトでは、inboxというフォルダに格納されます。 フォルダ管理で使用するコマンドには、以下のコマンドがあります。
コマンド | 機能 |
---|---|
folders | フォルダの一覧を表示する |
folder | フォルダの作成、変更をする |
refile | メイルをフォルダへ格納する |
rmf | フォルダを削除する |
・folders フォルダの一覧を表示する。 フォルダ名、メイルの数が表示される。 カレントフォルダには、+マークがついている。 ・folder +フォルダ名 フォルダを作成、変更する。 フォルダ名は、先頭に+を付加すること。 存在しないフォルダを指定すると、 Create folder /home/USER/Mail/folder? と聞いてくるので、y と入力するとフォルダが作成される。 存在するフォルダを指定すると、カレントフォルダが変更される。 scanコマンドでフォルダ内のメールの一覧が表示できる。 ・rmf +フォルダ名 フォルダを削除する。 ・refile メール番号 +フォルダ名 指定されたメールをフォルダへ格納する。 格納したメールを参照する場合は、folderコマンドでカレントフォルダを変更する。
インターネットにつながらない会社や、個人の自宅のパソコンからバイナリファイル転送する場合には、以下の方法で可能です。
ただし、マナーとして、1つのメールのサイズは、1MBを越えないようにしましょう。
また、ファイルを送信する場合は、gzip、LZHなどで圧縮してから送信しましょう。
・バイナリデータの圧縮 compress data 圧縮は、gzip(*.gz), lha(*.lzh)でも可 ・バイナリをテキスト形式に変換 uuencode data.Z data.Z > data.Z.uu ・メールの送信 compコマンドでメールを送信する。 viで、data.Z.uuを引用する。
・メールの編集 forw,replなどで、メールをviで読み込む。 beginからendまでを別のファイル(data.bin.uu)へセーブする。 ・テキストをバイナリへ変換 uudecode data.Z.uu ・圧縮ファイルを解凍 uncompress data.Z 解凍は、圧縮時と同じツールを使用すること。