酒場で眠りこけてしまったが……



……はっ!

 やばい、つい酔いつぶれて、寝てしまった(−−;)
既に、酒場の灯は落とされている。
ただ、暖炉の火だけが弱々しく回りを照らしていた。
 もちろん、酒場には誰もいない。がらんとした空間……わずかに人の温かみと、圧倒的なアルコールの匂いを残した空気。
 非情なことに。みんな酔いつぶれた君を残して、さっさと休んでしまったのだ。

……やばい、今日の飲み代のツケを回されてるかも……
 君は、半ば真剣になって、記憶の最後に残っているメンバーを思い出そうとしていた。

???「あのぅ……」

お礼を言うステラ。

……小柄な人影。
 んー、こんな子、常緑亭にいたっけな……
???「ボ……ボクが何か?」
 その子は、ちょっとおびえたように弱々しい声で言った。
視線が遠慮無さ過ぎたかな……?
???「あの……あなたに一言お礼が言いたくて……」
……お礼? 見ず知らずの子供に、お礼を言われることも……
???「ウォーカーが元気になったの、あなたのおかげだと聞きました」
 ウォーカー……ああ、あの騎士さんか。
えっと……そう言えば、最初彼が来たときに、連れがいたような、いないような……?
 あの後全然会わないから、すっかり忘れていた……
???「ボ……ボクは、落ち込んでる彼に、何もしてあげられなかったから……」
 気にすること無いのに。君自身、自分が何かしてやったなどという気はさらさらないんだし……
???「すごいんですね……」
 その子は、君が謙遜しているのだと思ったらしい。しきりに感心している。
……なんだか気恥ずかしいな……(−−;)
???「あ、ごめんなさい。もう戻らないと。ウォーカーが起き出して心配してるかも……
それでは、本当にありがとうございました……」
 はいはい、どうぞお休み。
スティル「あ、ごめんなさい。ボ……ボクの名前はステ……スティルって言います」
 どうもご丁寧に。君も、自分の名前を彼に告げた。

……とっとっとっ……
 軽やかに階段を上がる足音が聞こえる。

さて、と。君はあくびを一つして、自らの寝床に向かった。
……明日一番で、今晩の精算内容をジェイドに確認しておかないと。
 ルネッサだと、思いっきりフカシ食らうからな(−−;)


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