はるをうたう。


???「ら……るるりるら、らるり〜♪」

 歌が聞こえる。
リズムも、音程も、気ままに。
 うまい歌では、決してない。
でも。
 ヘタ、とか音痴、という言葉では、くくれない歌。
決して耳障りでなく、心安らぐような、うきうきするような。
 歌い手の感情を、そのまま乗せたような。

 誰が歌ってるのかと言うと……

ららら。

おハル「りりりるりるら、るーらるーらら♪ ♪〜(^▽^)」

 おハルさんだ。

言われてみれば、実におハルさんらしいというか、ぴったりな歌声。
……おハルさんの故郷の歌、なのかな?
 口からでまかせの歌にしか聞こえないけど。

しばらく聞いてるか。

おハル「どうも、こんにちはです! \(^▽^)/」

 あ、気づかれた。
歌っててくれて、良かったのに。

おハル「じゃ、一緒に歌うです!」

……って言っても、曲、解らないよ。
 おハルさんの故郷の歌でしょ?

おハル「いいえ、違うですよ?
 チンチョウゲさんの歌です。(^▽^)」

……チンチョウゲ……って、人の名前?
 へんな名前。

おハル「ヒトじゃないです。お花さんです。そこに咲いてるです。
 歌ってるの、聞こえないですか?
一緒に歌うです! G(▽< )」

 ……き、聞こえないって。(^^;)
おハルさん、草の声なんて、聞こえるの?

おハル「誰でも聞けるですよ。
 こうやって、手を開いて胸に当てて、目を閉じて耳を澄ますです」

……えっと? 手のひらを胸に当てて、目を閉じて、耳を……

ぱぱぁん!!

……う、うわぁあぁ? \(@▽@)/

 いきなり、耳元で盛大な音。
耳がキーン、と鳴り。
 心臓が盛大にバクバクする。
って言うか、死ぬかと思った。(@▽@)

おハル「引っかかったです、引っかかったです! (^▽^)/<)」

 おハルさんが、はしゃぎまわっている。
手には、小さなラッパ。


おハル「ぷっぷくぷ〜ッ! ε=(>(-^ )」

 おハルさんは、新しいおもちゃを手にした子供の様に(と言うか、そのままだ)、嬉しそうにラッパを吹きまわっている。
……怒る気力もなくしたよ。ε=( ̄〜 ̄;)

 ぷーぱぷっぱっぷぷぷぱっ♪ ぷぱっぱぱ♪

 いい加減に吹き鳴らされる、ラッパの音。
なんで、耳障りじゃないのかなぁ。


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