なっちゃんの夏。


 なんか、静かな酒場。
従業員も、誰もいないのかな〜、と思ったが。
 隅の方に、黒いのがいるではないですか。
声をかけてみましょう。

 おーい、ナッちゃ……

 ゆらり。
向こうを向いたままの背中から、陽炎が立ちのぼった。
 純粋な殺気。
……
…………ナトキンさん? d( ̄▽ ̄;)

くるり。

ナトキン「なにかな? ( ^−)ノ」

……
 絶対、このヒトそっち方面の才能あるわ……

ナトキン「才能?」

 あ、いえいえ。<( ̄▽ ̄;)
才能、さいのう……
 あ、そうそう、ナトキンさんって、昔は剣を生業にしてたそうですけど?

ナトキン
「昔の話だなぁ……」

 やっぱり、傭兵とか、冒険者とか?

ナトキン「ん。少しイメージが違うかな……

 もめ事の仲裁とか……」

ルネッサ「借金の取りたてとか? d( ̄▽ ̄)」
 ビターの追加を持ってくるついでに、ちゃっかり話に混じってくるルネッサ。
ナトキン「まぁ……そんな時もあったかな」

……それって……用心棒? d( ̄▽ ̄;)

ルネッサ
「っていうか、ヤ○ザよね〜?(笑)」

 あ、また、怒らせるような事を……
おずおずとナトキンを見てみる。
 が、意外にも、ナトキンはくすくすと笑っていた。

ナトキン「そりゃあいい。たしかに、まっとうとは言いがたい商売だったからなぁ。
 それよりも悪い事には、かたぎのニンゲンを相手にしてたことだな」

……カタギ相手のヤ○ザ?

ナトキン「今は、ただの、気楽なナトキン……」

がらがらがら……
どしゃあん!

……ひっ<(>ー<)>
 突然の落雷。

さー……

 大粒の雨が、常緑亭の屋根を叩く。
夕立か……
 もう、すっかり夏なんだな。

 ナトキンは、窓越しに、突然の天気変化を楽しんでいる様だ。
雨が好きなのかな。


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