空気すらぼんやりとした、昼下がり。
のんびりと、することもなくカウンターでデロデロしていると。
んー、なんか、足りないような気がするなぁ……
ルネッサ「んー? 脳みそ置き忘れたんじゃないん?」
ルネッサが、まぜっかえす。
……いたのか。( ̄ー ̄)
客席のテーブルを、まるまる占領して伸びてたから、すっかり寝てるんだと思ってた。
からんからん。
誰か入ってきた。
と思ったら、ニナだった。
常緑亭に出入りする、楽師。(なんだろう、多分)
ニナは、酒場の中を見まわすようなそぶりをし。
ルネッサ「あらぁ? アンタの子リスちゃんなら、今日は見ないわよん? ( ̄▽ ̄)ケケ」
ルネッサが、さっそく冷やかす。
何か口出す機会と見るや、黙っていられない性分なんだな、ホントに。(−−;)
ちなみに「子リス」というのは、ここのとこしばらく「木を探してる」とか言いながら、ニナの周りをうろちょろしてる(笑)楽器作りの少年のこと。
……あ、いかん。人物評にルネッサ風味が入っちゃってる。( ̄▽ ̄;)
ニナは……
ルネッサの揶揄を意にも介さない様子で、「指定席」へ向かう。
小さく、「ふん」と聞こえたような気もしたけど。

ルネッサ「やっぱりあれ? たとえその気が無くても、アレだけつきまとわれれば、女冥利に尽きるわよねーん( ̄▽ ̄)」
……聞こえてる、聞こえてるって、ルネッサ。ヾ( ̄_ ̄;)
ぴーん、りーん。
きゅ……き。
かすかに響く、調弦の音。
ニナは、ルネッサのことを端から無視してかかるつもりらしい。
……ま、「それが普段のニナのやり方」と言われれば、その通りなんだけど。
短い音合わせの後、始まる楽。
あ、そうか。
ここにはいろいろ弾き手や歌い手がいるけど。
ニナの音は久しぶりな気がする。
足りないと思ったら。