商談……


 実の姉妹、商人タイタに会いに来た織師ニクタルさん。
しかし、待てど暮らせどタイタは来ない。
……やっぱ、呼んで来ましょうか?
 うつらうつら。
ニクタル「……えっ?」

 寝てるし〜ッ? 煤i ̄o ̄;)

タイタ「大変お待たせを、コパフィールドさん」


 ちょうど、そのタイミングで入ってきたタイタ。
……なんだか、両手に大量の紙束を抱え。
 コパフィールドさん?

ニクタル「いえいえ、結構です事よ、ゴールドウィンさん。(^^)」
タイタ「タイタ、で結構」
ニクタル「では、わたくしの事はニクタルと」

 感動の姉妹再会だというのに、やたら他人行儀だなぁ。( ̄〜 ̄;)
ルネッサ「いつも、こうなのよん。あの2人。( ̄▽ ̄)」
 いつも?

タイタ「今回のご注文は、羊毛150単位と伺っておりますが」
ニクタル「そう、いつもの様にグラウハム産をと」

……商談〜ッ? 煤i ̄O ̄;) がびーん
ジェイド「……です(^^;)」

タイタ「申し訳ありませんが、グラウハムものは今年、不作のため品薄で……」

 くどくどくど。

 手もとの資料を駆使しつつ、やたらと言葉をひねくり回すタイタ。

ずずー……

 タイタは、軽く眉を寄せる。
タイタ「以上の理由で、早急にとなりますと……」

……ず、ずずぃ〜

 ニクタルさんは、お気楽にお茶をすすっている。
タイタの話を聞いているのかいないのか、上目使いでタイタを眺めながら。
 小さい、チッという音が聞こえる。
タイタの舌打ち。
ニクタル「……で?」
タイタ「……で、と申しますと?」
ニクタル「具体的には、おいくら?」
タイタ「……(−−;)
 ざっと試算して、前回納品時の三割増しを見て頂ければ」
ニクタル「サンワリ……」
 茫洋と宙を見詰めるニクタル。
考え深げで、実はなにも考えてないんじゃ。( ̄ー ̄;)
タイタ「ただ、少しお時間を頂ければ、今までのお付き合いもありますし、なんとか
ニクタル「ウィスシャー産は、どうやら豊作らしいですね(^^)」
 タイタがかぶせてくる言葉を遮って、ニクタルは脈絡もなく話題を出す。
タイタ「ウィスものは……、確かに量は出まわっておりますが……
 ご存知のように、品質面でおめがねにかなわないかと」
ニクタル「いえ、「サキモノ」でずいぶんお儲けになったとか、風の噂で」
タイタ「……今回の商談とのかかわりが無い事でございますね」
ニクタル「あら。では、こんな噂はご存知?
 不作を伝えられているグラウハム産、流通を調査すると、生産量より多く出まわっているとか」
タイタ「…………初耳ですね……」
ニクタル「調査したさる組合によれば、グラウハム産と称する羊毛の中に、異なる産地と思われるものが混入しているケースがあったとか。それも、既存のどの産地でもないものが」
タイタ「……」
ニクタル「ただ、その謎の羊毛、品質がグラウハム産のものとも遜色無い、質的にはそれをすら凌ぐとも噂されておりまして、わたくしも興味を引かれている次第なのですよ。(^^)」
タイタ「それは……調査の必要がありそうですね」
ニクタル「わたくしどもとしましては、品質さえ確保できれば、正直グラウハム産にこだわる必要を感じていないのですよ。
 ゴールドウィン商会さんは、最近、さらなる東方に交易路をお開きになったとか。
最高級の羊毛を産出する、新しい産地にお心当たりがあれば、それを正価でお譲りいただければ……」

 ……心なしか、タイタの顔色が悪いような……

タイタ「……新規航路の交易品は、まだ十分整理できてないのが現状で……
 ただ、たしか羊毛には心当たりが無いわけでもございませんので、少々お時間を頂ければ、サンプルをお持ち致しますが……」
ニクタル「お待ちしますのはやぶさかではございませんが、人の噂は千里を走ると申しますよ?」
タイタ二日でお持ちします
ニクタル「たいへん結構なご提案、ありがとうございます。(^^)」

……なんか、訳解らんうちに話し合いがついたらしい。

タイタ「くそ、昔っからそう、ニクタルは。ネチネチと、そういうところが大ッ嫌い!」
ニクタル「そんないい方、ひどいと思うわぁ。だって、お互い様でしょう?
 タイタなんか、いつも牛乳を自分だけ多めについで、一人だけ育とうって」
タイタ「あ、そんな事言うかなぁ?
 スープの具、いつも自分の分だけ多めによそってたの、知ってるんだぞ? \(>A<)/」
ニクタル「いつもおかずを分けてあげてたのに、もう忘れたの?」
タイタ「自分の嫌いなおかずだけ、ね」


……なんだ、この姉妹は。( ̄〜 ̄;)
 っていうか、どういう環境で育ったんだっての。


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