ボランティアとは?

 現在の世の中ではボランティアが素晴しい、と思われているらしい。
あちこちでボランティアの事を耳にするが実際のところはどうなのであろうか?

 ボランティアの意味を調べてみると自分から進んで社会事業などに奉仕する人のこと、と書いてある。
更に奉仕の事を調べてみると、
(1)国家・社会や目上の人などのために私心を捨てて尽くすこと。
(2)商人が客のために特に安く売ること。
となっている。
一般的にはボランティアという場合には(1)の意味だと考えるだろう。
でも、実際の所はそうでない者が結構いるらしい。

 まず、多いのは売名行為や就職に有利になるからボランティア活動をする者。
まあ、これは真面目に活動に励んでいるのならなんの問題もないのだが、
手を抜いたり途中で辞めていく者がいるらしい。
彼等にしてみれば参加した、という事実さえあればいいわけで無駄に労力を使う必要はないわけだ。
この、売名行為に対しては雇う側の売名行為という事もある。
すなわち、これだけ多くのボランティアが参加してくれた素晴しい事業です、と宣伝する場合だ。
そして、そのボランティアに対してお金が支払われていたりする。
これはただのアルバイトではないのだろうか?
この2つについては奉仕の(2)の意味だな。

 あとは傲慢な者がいるらしい。
私がわざわざ手伝ってやっている、という感覚の者達である。
宿泊施設が悪いとか、食事がまずいとか文句を言いだすのがこれにあたる。
そもそもボランティアを募る側としては、どうしようもない困った事態だから募るのである。
十分な食料や宿泊施設を用意できないのは当然予測されうる事であろう。
それなのに、手伝ってやっているのだから待遇を良くしろ!などと言うのは、
根本的に勘違いをしているとしか思えない。

 また、雇った側の命令を無視する者がいる。
ボランティアに事故があった場合責められるのは雇った側である。
ボランティアの行動を規制するのは当り前だ。
それなのに、それを無視して危険な行動をとるのは、相手の立場を全く理解していない証拠である。 

 ボランティアを雇う方にも問題がある事もある。
必要な、また維持が可能な人数は(宿泊施設や食事、または管理可能な人数であること)決まっている。
しかし、それ以上の希望者が集まると、それより多く連れて来る事がある。
これは、相手の善意に頼っている以上、無下に断わるのは心苦しいからであろうが、
事故を防ごうと思うのならスパッと切るべきであろう。
また、ボランティアのほうでもその事をよくわきまえるべきであろう。
まして、相手の了承も得ずにボランティアに向かうなどと言う事はとんでもないことだ。

  私は全てのボランティアがこんな者であるとは考えていない。
しかし、ボランティアがもてはやされる中でこういった傍迷惑な者が増えているらしい。
もう少し、ボランティアというものを冷静に見つめ直す必要があるのではないだろうか?


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