食物中の異物

 

 最近よく食べ物の中に異物が混入している、と言って大騒ぎしている奴がいる。
ご飯に蛾が入っていた、味噌汁に芋虫が入っていた・・・・・・・
特によく大騒ぎされるのが虫の仲間のようだ。
そして売り物に中にでも入っているのを発見しようものなら鬼の首でも取ったように大威張りで
発売元に文句を言ったりお店に抗議したりする。
発売元やお店も文句を言われても、反論するどころか、ぺこぺこと頭を下げてばかりである。
よっぽど食物中に虫が入っているのは悪い事のようだ。

 では、実際のところ食物中に虫が入っていた場合は身体に害はあるのだろうか?
虫の身体は動物と同じく蛋白質で出来ている。
従って、昆虫を食べる事は肉を食べるのと同じ事である。
つまり昆虫を食べたら消化されて栄養になるだけという事である。
汚い、などと言う人もいるが、汚いというのはようするに雑菌がついてるという事であろう。
雑菌などというものは私たちの周り、あらゆる所に存在している。
虫に雑菌がついているわけではなく、虫にも雑菌がついていると言った方が正しい。
空気中にも水にも人間の体内や体表にも沢山の雑菌が生活していて、常に私たちの口に入ってきている。
それに、雑菌だったら火を通せばほとんど死に絶えてしまう。
雑菌の中には毒を出すものもいるが、これらの毒のほとんどは火を通せば分解されて無害な物質になる。
つまり、火さえ通っていれば害などはないという事だ。
中には火を通しても分解されない毒を出すものもいるがこれは非常に少ない。

 そもそも食物中に虫がいるなどと言ってこれほど大騒ぎするのは世界中でも日本くらいである。
例えばアメリカでは食物中に何匹の虫がいてもいい、という規定が存在している。
例えばジャム1瓶の中にカナブンが2匹いても商品としては問題がない、と言ったように。
だいたい、食物という物は畑や農場で作る物だ。
そして、畑や農場に虫がいて当り前である。
いや、いなかったらおかしいのだ!
そしてそれを加工する以上、虫などの異物が入り込むのは当り前のことである。

 それでも虫などは全く見かけないのが普通じゃないか。
と主張する人もいるだろう。
それはわざわざ手間をかけて取り除いている事と、猛毒の農薬をやたらとばらまいているからだ。
農薬の害はよく知られているだろう。
虫という生物を殺すための薬なのだから、他の生物、人間にとっても毒である。
更に、非常に分解されにくく、生物の身体にその毒の排出、
分解機構がないためにどんどん蓄えられていく。
そして、その毒は子供にも伝えられていく。
これについては、体内に蓄えられた毒を排出する方法が女性にはある、という話を聞いた事がある。
子供を産めば、子供の体内に毒が行った分だけ自分の体内から毒が減り、
更に授乳する事によって自分の身体の毒が子供に行ってしまうので、
自分の身体は奇麗になる、という話である。
私はこの話を聞いて失笑してしまった。

 食物中の異物として虫がいたとしてもほとんど害はない。
気持ち悪いというのなら食べなければいい。
そんな物よりも農薬の方がはるかに危険である。
虫が、全くついていない奇麗な食べ物、などと言うものには
どれだけの農薬という猛毒が含まれているのか判ったものだはない。
有名なところではバナナがそうである。
場所にもよるが、日本向けの商品は奇麗でなくては売れないので、
恐ろしく大量の農薬が撒かれているそうだ。
そして、ほとんどの労働者は数年働くと農薬により病気になって仕事が出来なくなる・・・
こんな代物を奇麗だとか言って喜んで食べるやつの気がしれたものではない。

 食物中に異物があるから、と言って大騒ぎするのならもっと考えて騒いだほうがいい。
少なくても虫は入っていて当然のしろものであり、奇麗すぎる商品に含まれている
農薬の方がよっぽど危険なものなのだ。


天の邪鬼観察記に戻る