冬至に響く音−樹上の少女。


 こっちだ、こっち。
君は、歌声の方へ向かって一直線。
 いや、本当に一直線に走ると木にぶち当たってしまうので、うまく避けながら。
こう言っちゃなんだが、ニナにはいつでも会えるしな。( ̄▽ ̄)
 歌声の主は一体誰なのか、興味がそそられるのだ。
綺麗な声だしなー。( ̄▽ ̄)
 と、ほんやか考えつつ走ってると。
いつの間にやら、楽が止まっている。
 あれ?
あれれ?
 どうしよう。
声、どっちから聞こえてたっけなぁ?
 いきなり取り残されたような気持ち。
背筋が寒くなる。

けろけろけらけら。

 おたおたする君をからかっているような笑い声。
いや、間違いなくからかってるんだ。ちょっとムカツク。
 どっちだ?(−−メ)シバイタル

けろけろけらけら。

 上だぁッ! G(>o<メ)
……上? (’▽’;)

にぱ。(^▽^)

 木の枝に腰掛けた少女は、そんな効果音がぴったりの笑い顔を見せた。
木の枝、といっても……遥か10mはあるだろう? あそこ……
 どうやって登ったんだって言うか、落ちたらアブナイだろうって言うか。
顔を赤くしたり青くしたりしている君を見て、またひとしきり笑う、少女。
……怒る気も失せる、あけすけな笑い。
 人を笑わせずにはいられない、というか。
森の隙間からさしこむ月光に照らされて、自ら光っている様にも見える。

 歌ってたの、君?

にぱ。(^▽^)

 歌うの、好き? 

にぱ。(^▽^)

 ニナの知り合い?

ん〜。

 少女は、笑い顔のまま眉をひねって、妙な顔を見せる。
……おやぁ?

 少女は、大きく振りをして反動をつけると、くるっと枝を半回転。逆さにぶら下がる。
ちょっ、アブナイっすよ? \(@▽@)/

にぱ。(_△_)

 逆さのまま、例の笑顔を見せると、くるっと木の幹の向こうへ姿を隠す。
もしかしたら、そうじゃないかと思ったんだが……
 幹を回りこむと、すでに少女の姿はなかった。

……サルの軍団?d( ̄▽ ̄;)


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