丘を越え、行こうよ、口笛吹きつつ……
なんとなく、のんびりと歩く。
あったかくなってきたせいかな。
寒いと、せかせか歩いちゃうモンなァ。
……などと言いつつ、後続の連中は、遥か後ろ。
枝に花芽がついてると言っちゃあ立ち止まり、大地からもう草が萌え出してるのを見つけりゃあ立ち止まり……
なんとも、ピクニック気分。
まぁ、発案者がピクニックのつもりなんだから、仕方ないんだろうけど……( ̄〜 ̄;)
このままじゃ、日が暮れちゃうよな。
まだまだ、日は短いんだし。(誰かが強烈に主張するんでみんな春気分だけど、冷静に考えりゃまだまだ冬だよ、全く)
で、ユキカセがやって来たのって、こっちの方だっけ……
そう、この丘のてっぺんから、更に向こうの方。
丘を登る。
息が切れる。ぜいぜい。
いかん、運動不足ダ(@▽@)
体力強化に冬山登山でも……
死ぬからやめよう。
訳の解らない事をぐるぐる考えてるうちに、てっぺんに着く。
休憩。(@▽@)
振りかえって見ても、お弁当は遠くふもと。
一緒にのんびり歩いてくりゃ良かったと、大分後悔する。
ごろんと横になると、雲の流れが見える。
日の光は暖かいが、丘を越える風はまだ冷たい。
若干汗をかいたか、今になって身体が冷えてきた。
あ、このままだと風邪引いちゃうなぁ、と思いつつ……
思いつつ……
……
ぐぅ……
……
さくさくさくさく。
からんかろん。
軽く土を踏みしめる音に、ふと気がつく。
……ん、やっとみんな追いついてきたかな?
横になったまま、薄目を開けて辺りをうかがう。
空は朱く色づきかけ。
人が沢山いる気配は無し。
いるのはと言えば。
からんかろん。

そわそわした様子で、辺りをキョロキョロと見まわしている少女。
首を振るたびに、喉もとの鈴がからから響く。
まるで、何かを探してるような……
って、探してるに決まってるだろう。
あれがカギロイ。探しものはずばりユキカセ。
見たこと無くても、あの服装は間違いないわな。( ̄〜 ̄;)
こっちにはまだ気づいて無いようだ。
ずいぶん焦ってる様子。
声をかけてあげよう。
ふ……
ふあっくしょぉい!!(>。<)
うぃ〜。(>〜<)
やば、風邪引いたかな。
カギロイ「……(’ー’;)」
カギロイは、驚いたような表情でこっちを呆然と見ている。
……そりゃそうか。
第1印象ロール大失敗って感じだな。( ̄〜 ̄;)