カフェ・もーたうんとは。


 街外れ。
と言う言葉がふさわしい場所は、ここより他に無いだろう。
 繁華街も無く、従って雑踏も無く……
田舎でもなく、静寂も無い。
 大きな幹道が横を抜けている。
乗用車が、スクーターが、ダンプが、市街と郊外を結ぶべく、我先にと行き来している。
 すすけて、せわしない街路。
 そんな所にカフェなんかがあって、果たして人なんか入るんだろうか……
なんて、思わず心配したくなるようなろロケーションに、「カフェ・もーたうん」は建っていた。
 雑居ビル同士の隙間……時代が時代なら、一瞬で地上げを食っただろうに。今にも両側からはさまれて、潰されそうな建物。
せめてもの自己主張なのか、色は派手な黄色……少し、緑がかっている……に塗られている。
……こんな色のカエル、いなかったっけな( ̄▽ ̄)
 しかし、気になっているのはそんな事じゃなくて。
店の中……無造作に並べられた車、バイク。
 それがために、客席が圧迫されているんじゃないかと言うくらいに、それは並べられている。
しかも。
 そう言う風に店の中に展示するなら、普通。もっと、こう……
ふぇらーり、とか、もとぐっちぃ、とか、コンクールに出すようなデカダンスな物を並べるものじゃないだろうか?
 ここにあるのは、オイルパンから油がにじみ、ヘッドが吹き抜けてエンジンかけたら白煙を吹きそうなものばっかり( ̄▽ ̄;)
本当に、飲食店なのか、ここ……
 なんだか、妙に気になって仕方が無い。クルマ好きの押さえがたい性とも言うか。
でも、なんだか入るのも怖い。入ったら、出れ無くなりそうな……まさかね(^▽^;)

舞菜「あの……お客様、でしょうか?(^^)」
……わぁッ( ̄▽ ̄;/)/
 むぅ。どうやら、うろうろしていたのを店員に見咎められたらしい。
金髪にソバカス、ちょっとヌけたような娘さん。
 いい香りがしそうな……しないな。やはりというか、機械油の匂い。( ̄〜 ̄)
紗智「よかったら、あがっていかない?(^^)」
 今度は、ショートカットの元気の良さそうな娘。
ポコ「よってく、のだー! G(^▽^)」
 ツーテールの、いかにものーてんきそうな小柄な娘。
……こんな娘たちが、こんなアヤシイ店を切り盛りしてるのか……?
 んー、そう考えるとますますアヤシい……( ̄ー ̄;)
紗智「さささ(^ー^)」
ポコ「どそどぞ、なのだぁ(^▽^)」
舞菜「どうぞ、ごゆっくり(^^)」
……って、 あぁ? いつのまにか、店の中に入らされているゥ? ( ̄▽ ̄川)ガビーン

 しかたない、なんか注文して行くか……
メニューが、「オイル」とか「チェーンルブ」何てモンじゃない事を祈ろう。


登場人物一覧。

舞菜 鈴木 舞菜
ポコ 佐伯 歩子
紗智 斉藤 紗智
勇魚 佐々木 勇魚
BR Blanche Roses
真帆 鈴木 真帆

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