■■ ナーストレンド 草案17 ■ 問題点  全体的なバランスに難を感じる。  まず、とにかく威厳の効果がデカすぎる。前にそんなに問題に感じなかったのは、やはり枚数が少なかったからであり、元通り1層のみに限定するべきだろうと思われる。  1層のみの場合、総枚数で5枚。1人で独占できれば強いかも知れないが、なかなかそうはならないと思われる。  その他、成長要素の格差が大きすぎるので、そこを改めて考えた方が良さそうだ。  まず、価値をどう見るか。  親愛は3〜5VP分の価値があり、これは最上位ボス戦のルーン1個に相当する。威厳の価値はもっと高く、初手で取った場合、4人プレイなら8VPが期待できてしまう。仮に3枚連続で取った場合、8+7+6=21VP分のアドとなり、ルーンに1個もサイコロを回さなくても十分以上に見返りがある。  一方、知性はボス戦時に限りサイコロ+1個分のボーナスだから、単純に考えて3〜5VPの効果しかない。親愛と同じであるから、ボスと同ラインにある知性はさらにサイコロ1個分のアドがあることを考えると有用だろう。  勇気は終わっている。エインヘリアルの代わりにならないし、終盤になるにつれてほぼいらなくなる。掛け算エインヘリアルが配下にいる時だけ有用度が上がる程度。ほぼ罠。  威厳をどう抑えるかも考える必要あるが、まず勇気をどうにかした方がいい。  例えば、これに最低保障か、保険的な役割を持たせるとか。現状、失敗したらチャレンジロール数分の最低保証を設定しているが、キーパーだけの特殊ルールなので忘れるし、どちらにしろほぼ意味がない。  そこで、勇気を1枚捨て札にすると好きなだけ振り直しできる。みたいな共通効果を持たせるのはどうか。最悪な目を引いたとしても、とりあえず勇気を取っておけばリロールできる。という保険を用意することで、取るか取らないかを自己責任として処理させるやり方。  ただ、保険というのはいざという時以外は意味がなく、かつ実際に使えてしまうのもやや困る所があるので、通常の効果も持たせたい。となると、今までの効果+保険としての新効果を追加で要素が1つ増えてしまう。単純に好きなサイコロ1個を振り直すとし、捨て札にすると好きなだけ選んで振り直せる。という感じにするのがいいかも知れない。  これだと、全く異なる効果を持たせる訳ではないので、理解も早くなるだろう。  以上を踏まえた上で、威厳をどうするか考える。  実質的な効果としては半分ぐらいが正しい。つまり、1手番目に取って4VP。4→3→3→2→2→1みたいな減衰方法。  5手番目から、取って最大2VPだから親愛の方が良い気がする。的な感じになる。ただ、半分というのが計算上美しくない。しかも累積するのだから、これはちょっとどうかなという気分になる。  一番カンタンなのは、終了時に3VPみたいな固定にしてしまうことだが、プレイの幅が広がる訳でもないし、ちょっと面白くない。妥協案として、取る毎に累積みたいな感じもある。即ち、1+2+3+4+という感じ。4つ取って平均2.5VPなので、これだと弱すぎるのが欠点ではあるが。妥当なのは2から始まるパターン。この方式の欠点は、独占するとかなり旨く、分けると分けたプレイヤー同士で沈むという点にあり、おそらくこれを解決するのは難しいと思われる。  逆転の発送で、威厳は2層にしかない。という感じはどうか?  つまり、最低2手番目からゲット可能という感じ。ここで問題となるのは、2層は1層と比べて若干難易度が高いので、失敗する恐れがあるということ。エインヘリアルのめぐり合わせが悪い場合、2Dして9を外しまくる可能性は高い。実際期待値は7なのだから、なにもバフがない条件だと少し難しい。そこで2手番ぐらいしゃがんだと想定して、4手番を消費。残り5手番を全部成功して5VPだから、5+4+3ぐらいになる。威厳特化なら、3枚で12VPぐらいか。  うーん、数値的には妥当な気がする。  エッダの配分が綺麗な形にはならないが、まぁ、こんな感じが妥当か。  1層:勇気6、知性6、親愛8  2層:威厳6、勇気2、知性2、親愛2  3層:勇気3、知性3  チャレンジロール失敗の最低保障について、やはりこれだけルールが特殊過ぎるし、その上大して意味がないのでやっぱりやめた方が良さそうだ。  そもそもの問題として、ボスの旨味が少なすぎるというのもあり、それらを含めて解決しなければならない。  最も簡単な方法としては、ボスにも基礎点を設ける形か。  通常のエッダと同じように、3+ルーン×3みたいな感じにする。固定点が入るので完全な損にはならないし、ルーン0でも一定の点数が入るようになる。  ではどれぐらいが適正なのか。通常のエッダの2倍前後を基準に考えてみるか。  即ち、1層2VP、2層3VP、3層4VP、4層5VPという感じ。まぁ、ルーン1個分になるよな、それは。なら素直にルーン1個分足すような形でいいんじゃなかろうか。  後は、各エインヘリアルの調整見直しかな。  加点系はもっと条件を厳しくして良いと思われる。 (!--大まかな変更点--) ・キーパー戦に最低保証値設定 ・スカウトフェイズを手番開始時に変更。これにより、1手番目に素でサイコロを振る&最終手番に解雇せずチャレンジロールするの2つの問題を解決 ・エインヘリアルの枚数を少し増やし、内容を調整 ■ 概要  度重なる戦乱により、ミッドガルドでは多くの血が流された。  ニブルヘイムの底、フヴェルゲルミルの泉に潜むニーズヘッグは、滴り落ちるその血を啜り急成長を開始した。  このまま放置すれば、黒き竜となったニーズヘッグはラグナロクを生き延び、終末の世界を支配することになるだろう。  あなたはヴァルキリアの1人となってナーストレンド(死者の世界)へと乗り込み、戦士の魂(エインヘリアル)を集めてニーズヘッグを討伐しよう! ■ コンポーネント  3〜4人 ◇ヴァルキリアカード(4枚)  プレイヤーが操る戦乙女、ヴァルキリアを表すカードです。  各ヴァルキュリア毎にベースカラーが設定されています。 ◇ウルズカード(48枚)  各ヴァルキュリアのベースカラーに対応した4色のカードです。 ◇エッダカード(20枚/12枚/6枚)  旅の途中でヴァルキュリアが遭遇する「物語」を表したカードです。  エッダには「勇気」「知性」「威厳」「親愛」の4つの属性がアイコンで表され、同時にヴァルキュリアの基礎能力を成長させます。  また、イベントには3つの階層(第1層ミドガルズ、第2層ニブルヘイム、第3層フヴェルゲルミル)があり、設定された条件を達成することにより、神々の栄光(=VP)を得ることができます。 ◇エインヘリアルカード(32枚)  勇敢なる戦士の魂(エインヘリアル)で、ヴァルキュリアの配下となって戦います。  それぞれが固有のスキルを持ち、強さを表すランクが設定されています。  ゲーム中、エインヘリアルをヴァルハラ送りすることができますが、しなかった場合はランクに応じて失点となります。 ◇キーパーカード(10枚)  各階層を繋ぐビルレスト(欺きの道)を守るボス的存在です。  キーパーを突破することで、新たな階層へ進むことができます。 ◇ニーズヘッグ(1枚)  フヴェルゲルミルの底に潜む、ユグドラシルの根を齧る蛇です。  いくつもの影を持ち、何度倒してもしぶとく復活します。  基本的な扱いは他のキーパーと同じで、第4階層に固定で出現します。 ◇ポーン  各ヴァルキリアの現在位置を表すポーンです。 ◇VPトラック&マーカー ◇サイコロ(12個)  6面体サイコロです。  各ヴァルキュリアと同色が2個ずつ、無地のサイコロが4個あります。 ■ ゲームの準備  各自使用するヴァルキリアを1人選びます。  また、スコアカードとマーカー、ウルズカード(以下、ウルズ)を受け取ってください。ウルズはプレイヤーの人数に応じて、2人なら12枚、3人なら10枚、4人なら9枚となります。  残ったサイコロ(無地と、使用しないヴァルキュリアのサイコロ)は、全てまとめて【場】に置き、そこを【ストック】とします。  次に、エッダカードを各階層毎によくシャッフルします。  この時、第3階層のイベントカードには、第3階層のキーパーカード2枚も混ぜて行ってください。  そうしたら、以下の図のようにカードを並べます。  この時、第1階層と第2階層の四隅は、それぞれ対応する階層のキーパーカードをランダムに並べてください(第3階層のキーパーはランダム配置となります)。そして、並べられたカード1枚1枚を「マス」として扱います。  また、中央には固定で「ニーズヘッグ」が配置されます。  ●○○○○○●  ○◆◇◇◇◆○  ○第1階層 ●キーパー  ○◇△△△◇○  ◇第2階層 ◆キーパー  ○◇△◎△◇○  △第3階層  ○◇△△△◇○  ◎第4階層(ニーズヘッグ)  ○◆◇◇◇◆○  ●○○○○○●  エインヘリアルカードをよくシャッフルして山にし、3枚引いて表向きに配置してください。  最後に、第1階層のキーパーを見て、指定されたマスに各プレイヤーのポーンを配置します。  そうしたら、右上(いなければ、右上から時計回りで近い方)にポーンが配置されたプレイヤーがスタートプレイヤーとなります。 ■ ゲームの進行  本ゲームはスタートプレイヤーから時計回りで順番に手番を行い、一定の手番数を終えるとゲームが終了します。  自分の手番になったら、以下の手順でゲームを進行させてください。 ◎スキル  各エインヘリアルは、1手番中に1回だけスキルを使用できます(使用しなくても構いません)。  使用条件が設定されている場合は、条件を満たした場合のみ適用してください。複数適用できる場合、適用順番は好きに選ぶことができます。  ただし、適用タイミングが「目の確定後」とある場合、そのスキルを使用した後に目を変更するようなスキルを使用することはできません。  また、スキルによる目の変化は、最低値1、最高値は6としてください。 1:スカウトフェイズ  旅の途中で出会った戦死者の魂(エインヘリアル)を雇用して配下とするか、配下のエインヘリアルをヴァルハラへ送るか、そのどちらかを行います。 ○雇用  場から好きなエインヘリアルを1人選んで、それを手元に移動させて配下とします。  あるいは、配下にせず即捨て札にすることもできます。雇用すると、ゲーム終了時にそのランクに応じてVPが減少する為、必要なければ雇用しないのも選択となります。  その後、エインヘリアル山から1枚引いて場に補充してください。  もしも山が尽きたら、捨て札をリシャッフルして山を作り直します。それも尽きたら、補充を行いません。 ○ヴァルハラ送り  配下の好きなエインヘリアル1人を選んで捨て札にしてください。  雇用したエインヘリアルを捨て札にできるのは、手番開始時のこのタイミングだけですので、最終手番はよく検討してください。 2:移動フェイズ  ヴァルキュリアを移動させます。  ただし、第4階層(ニーズヘッグ)に到達していたら移動は行いません。次のフェイズへ進んでください。  配置されたエッダカード、キーパーカード1枚を「1マス」とし、ヴァルキュリアは「時計回り」に最大半周(対角線上の位置)まで進むことができます。  この時、最低1マスは進むようにしてください。 3:チャレンジロール  この手番で使用できるサイコロ数を決定します。  自分のポーンが配置されたマスを見て、現在マスを含む「縦横にあるウルズ(他階層も含む)」を数え、”ウルズ数”個のサイコロを【ストック】から得てください。  □■□□□□□  □□□□□□□    ポーンが第2階層の×のマスにある場合、■マスに自分のウルズがあれば  ■×□□□□■    【ストック】からサイコロを4個得ることができる  □□□ □□□    従って、手持ちの2個と合わせて、計6個となる。  □■□□□□□  □□□□□□□  □□□□□□□  次に、得たサイコロの内、チャレンジロールに使用するサイコロの数を決定します。  決定したらサイコロをロールし、出目を合計してください。  チャレンジロールに使用せず残ったサイコロは「ルーン」として手元に残しておきます。  この時、チャレンジロールに使用するサイコロを0個、つまり全てルーンにして振らないことも選択できます。 ◎解決済み  止まったマスがウルズだった場合、その物語は解決済みとなります。  チャレンジロールを行う必要はありません。  自分のウルズ1枚を捨て札にし、次のフェイズを飛ばしてください(後述される、VPを得ることもできません)。  キーパーの場合、エッダと違いマスをウルズに置き換えません。  なので、キーパーは解決済みにならず、複数のプレイヤーが同じキーパーに対してチャレンジロールを行うことができます。 4:判定フェイズ  目を確定させ、合計値を「パワー」とします。  そして、以下の判定を行います。 ○成功  パワーが、目標値以上であれば成功します。  エッダであれば、手持ちのウルズ1枚を同マスと差し替え、定められたVPを得てください。差し替えたエッダは手元に置き、後述される「ヴァルキュリアの成長」となります。  キーパーであれば、手持ちのウルズ1枚を捨て札にし、定められたVPを得てください。  その後、ヴァルキュリアは次の階層へと進みます。  ポーンを1つ内側の、最も近い四隅に移動させてください。もしも、第3階層のキーパーだった場合、ポーンを中央のニーズヘッグへ移動させます。既にニーズヘッグに到達している場合、それ以上階層を進むことはなく、そのマスに止まったままとなります。 ○失敗  もしも、目の合計値が目標値より小さければ失敗します。  エッダであれば、手持ちのウルズ1枚を同マスと差し替えてください。この時、VPを得ることはできません。  キーパーであれば、手持ちのウルズ1枚を捨て札にし、”チャレンジロールに使用したサイコロ数”分のVPを得ます(エッダと違い、サイコロ数分の最低保障値があります)。  その後、成功した時と同様に、ヴァルキュリアを次の階層へ進めてください。 5:ヴァルキュリアの成長  ヴァルキュリアは物語を通して成長します。  ウルズと交換して得たエッダにより、以下のボーナスを得ることができます。  これらボーナスは1手番中に1回だけ適用され、同じ効果は重複します。また、ボーナスの効果は得た次のラウンドから適用されます。  勇気:サイコロ1個の目に+1する(最大値は6)  威厳:チャレンジロールに成功時、VP+1  親愛:ゲーム終了時、配下のエインヘリアル1人のランクを0にする  知性:キーパー戦時、サイコロを1個得る 6:手番終了  自分の手番を終了します。  サイコロを全て【ストック】へ戻し、次の順番のプレイヤーに手番を渡します。  以上を繰り返し、全てのプレイヤーの手持ちのウルズが尽きたらゲームが終了します。  最後にマジョリティを判定します。  各階層(第4階層は除く)毎にウルズを数えて、最も多いプレイヤーは以下のVPを得てください。複数いれば、人数割(端数切捨て)して、その全員が得てください。  1層:8VP  2層:6VP  3層:4VP  次に、配下のエインヘリアルがいたら、そのランク分だけVPを減らしてください。  最後に、最もVPを得たプレイヤーがゲームに勝利します。複数いたら、スタートプレイヤーから時計回りで遠い方(=プレイ順の遅い方)を優先してください。