■■ 王道勇者 草案4 ■ 問題点  まず、サイコロゲーが楽しいかどうか。  基本的にゴール時点での目の良し悪しを競うという問題から、道中でどうやって目を作るかしかゲーム性がない。つまり、運良く最初に必要な目を一度に振ってしまったら、後は試練で止まらない限りゴールしてしまえばよい。という感じになってしまっている。  これが本当に楽しいかどうか。  成長要素がなく、イベント要素もなく、冒険している感もない。  サイコロ要素も相まって、ちょっと作業感が強い。  なら、マスにバリバリイベント効果をもたせるとか、アイテム(武具)とか敵とか、なんか拡大生産要素を入れると面白くなるのだろうか。  悩むポイントがちょっと少ない。  つまり、現状は目が揃ったら一気にゴールまで行くか、あるいは牛歩してマスを踏むかの、ごくごく簡単なジレンマになっているのだが、ゲーム要素を削ったことにより牛歩に意味がなくなり、ただ目を揃える意味しか持たなくなったので、先に揃ったらゴールするゲームになっている。  なら少し前のバージョンに戻し、踏んだマスに応じたVPが発生するようにするのか。としても、確かに中途半端な感は否めない。なら、逆にもっとここの比重を増やす感じでもよいような。  そうすると、双六の最終目的であるゴールの意味がなくなり、単に牛歩が一番良いということになる。  ゴールの報酬をVPと同軸にした場合、結局効率の良い方を優先するだけなのでよくない。なら、例えばサイコロ数を増やすなどの基礎能力強化にした場合、悪くはないが最終ステージは成長が意味ないので結局牛歩になる。  80年代横スクロールアクション的、あるいはご先祖様的に、強制スクロール方式、戻れない壁はどうだろうか。  最近のオシャレな感じだとサマータイムレンダ方式とか。つまり、ループしても戻れる地点はちょっとずつ前に進んでくような仕掛け。  クロノ・トリガーと同じで、いきなりボスに挑戦もできるが、それだと勝てないのでループしてちょっとずつ強くなる感じが正しいだろうか。  うーん、イメージ的にはご先祖様がいいな。  絶対倒せない、呪いが具現化したような永パ防止敵が出現し、過去のマスを食ってくような感じ。  ちょっとずつ成長するシステムと、ダイスロールはかなり相性が悪い。  偶然1投目で必要目が揃ってしまうとゲームが壊れるというか、もっとライトな双六にする必要がある。となると、戦略的な価値をもたせるならデッキ構築型が良いかな。つまり、止まったマスのカードをデッキに組み込めるという感じで、多少のランダム性と、デッキを作る戦略性が合わさって丁度よい塩梅になるかも知れない。  ただ、問題は常に発生するカードの供給をどうするか。  双六式ならゴールまでの道のりは最初に決まっている訳だし、そうなん十枚もカードセットをするのは厳しい。つまり、どっかの段階でリセットしてカードを並べ直すような瞬間が必要になる。ただ、それだと進んでる感もなくなる。どうしたものか。  例えば、即補充式にする。つまり、マスのカードを取ったら、即山から引いてそこにカードを配置する。  別に追いつく、追い越す必要はないので、これが一番か。  後はループ方式を考える。例えば、横5枚程度並ぶくねくねとする。移動の際、横にはいくらでも進めるが、縦に1列分だけ戻れるとする。  □□□□□→  □  □□★□□    ↓ □ →□□☆□□  まぁ、5枚であるかどうかはともかくとして、この方式は良いと思われる。  で、どこまででも戻れるんだけど、ラウンド毎にマスが削れていく。一定数削れるのもよいが、少しランダム性は欲しい。かといって、サイコロのようなガチランダムはちょっと。なら、例えばマスに5スートぐらい作り、一番最後尾と同スート、かつ同列のマスが全部消えるとかいいかな。一応、何が消えるかは分かる。そして、消える枚数は少しランダムになる。  一先ず1列5枚、6列30枚程度ぐらいで考えておくのがよいか。1列5枚で5スートなら、1列消去されるのに大体3〜5ラウンドという感じだから、3列ぐらいでも良いかも知れない。が、ループをうまく機能させたいなら列はなるべく多い方がいい。6枚5列ぐらいかな。  列を縦に離すのはスペースの無駄になるので、左か右かの進行方向だけわかればよいだけだから、例えば列の折返しの横に何らかの表示カードを置くなどしてよいかも知れない。  現状考えられる一番大きな問題点として、先へ進むインセンティブがない。  何度も戻れる双六ではあるが、進む歩数のジレンマがほぼ存在しない。この手のゲームにおいて一番わかり易いジレンマは、欲しいカードを取るか、それとも手番を増やすか、つまり後戻りできないことがゲームを成立させている。となると、後戻りができるという時点で、この基本的構造が成り立たないことになる。  例えばVPとかで差をつける? 毎ラウンド毎に先頭から順にVPを得る形式。  ただ、これは十分なマス数がないといけない。後、多分処理がちょっと面倒くさい。が、悪くないような気はする。  後根本的な問題として、デッキ構築にして、そのデッキ、及び手札をどう使うのかが全く不明。  止まったマス毎にデッキから一定枚数をドロー。そして、止まったマスに応じてプレイしたカードを処理。みたいな感じになると思うが、これはかなり面倒そうだ。  うーん、ちょっとデッキ構築というのは無理な気がしてきた。ダウンタイムの問題もあるし、全員一度に処理をするならいいが、順番処理が原則のゲームでこれは厳しいと思われる。  順位VPだけ採用し、基本はこれまでのルール通りとする。  順位VPもどれぐらいの量にするかが問題だが、1位3VP、2位2VP、3位1VPぐらいで様子を見てみるのがいいだろう。  キャラに特殊能力があるのではなく、あくまで拾ったカードに特殊能力がある形式とする。つまり、リロールや目修正などもカードの能力であるとする。何らかの条件を満たせばカード効果を使えるか、あるいは使い捨てであるとする。  目は固定されず、基本的に最後のボスとの決戦時にロールするだけ。ロールしたら、持ってるリソースを吐き出して目を調整し、ダメージを発生させる。つまり、ロールに自信があればいきなりゴールしてもよい。ただ、これだと戦略性はほぼない。ボス戦をよっぽど面白く作らない限り、遊ぶ余地も少ないように思う。  全3戦であるとして、どれだけリソースを吐き出すか、という部分に焦点を当てるのも良いかも知れない。  つまり、ロールしてから自由にカードを使える。カードは1回限り使用可能で、次へ持ち越すこともできる。で、3戦する。つまり、3戦目は使い切る感じになるか、あるいは残してVPになるか、ぐらいあっても良いかも知れない。  試練については、あってもよいとは思う。  カードについては、目操作以外は本当に必要ないか。VPぐらいあってもよいとは思うが。  また、スート毎に効果が固定の方がよいかどうか。効果が固定でない場合、どこまで進めばよいか判断する為には、全マスのカードをチェックする必要がある為、どう考えても現実的ではない。  キャラに特殊能力を付け、マスのカードは共通効果にするのがよいだろう。 (!--大まかな変更点--) ・全面改訂 ・今回はスキルなしで。マニュアルには記載されているが、データにはない。多分、スキル必要ない ■ 概要  魔王を倒して世界に平和をもたらそう! ■ コンポーネント  3〜4人 ◇イベントカード(各24枚/72枚)  旅の途中で発生するイベントで、「試練(赤)」「遺跡(青)」「都市(黄)」「依頼(緑)」「巡礼(白)」の5スートがあります。  各スート毎に決まった効果が設定されています。 ステージ1:赤2、青6、黄4、緑6、白6 ステージ2:赤4、青4、黄6、緑6、白4 ステージ3:赤6、青4、黄6、緑6、白2 ◇順番カード(2枚) ◇魔王カード(8枚)  旅の終わりに待ち構える魔王の、ヒットポイント(=HP)を表すカードです。  各HP毎に設定された条件を達成することで、ダメージを与え名声(=VP)を得ることができます。 ◇情報カード(12枚)  旅の途中で入手できる魔王の弱点です。  魔王カードと同様にHPが1つ設定されています。 ◇種族カード(6枚)  魔王を倒し、平和な世界を取り戻すべく立ち上がったキャラクターです。  「速度」を表す数字が設定されています。 ◇クラスカード(6枚)  各キャラクターが最初に持っているスキルです。 ◇スキルカード(12枚)  勇者が冒険の途中で新たに習得したスキルです。  特殊な効果が1つ設定されています。 ◇ポーン ◇サイコロ( 個)  勇者が持つ天運を表す、6面体サイコロです。  白サイコロが基本となり、完全上位の赤サイコロもあります。 ■ ゲームの準備  イベントカードを各ステージ毎に集め、よくシャッフルして山にします。  魔王カード、情報カード、スキルカードも、それぞれよくシャッフルして山にします。  次に、各プレイヤーに種族カードを1枚ずつ、白サイコロを3個ずつ配ってください。  サイコロはゲーム中に増減しますが、白赤含めて最大8個まで所有することができます。8個以上得た場合は、未使用のサイコロ(なければ使用済みのサイコロ)を【ストック】へ戻して調整してください。  配られた種族カードは、表向きにして手元に置きます。そして、種族カードの数字が「大きい順」に、好きなクラスカード1枚を選んで表向きで手元に置いてください。 ■ ゲームの進行  本ゲームはステージという単位で進行します。  冒険の最後に待ち構える魔王を攻撃することでステージが終了し、3ステージ終了後に精算を行って最も名声(=VP)を得たプレイヤーがゲームに勝利します。  以下の手順でゲームを進行させてください。 ◎達成条件の見方  各イベントや魔王のHPには、そのイベントを達成する為の条件(=サイコロの目)が、以下の書式で記載されています。 A/B:AかBかいずれか1つ A・B:AとBが各1つずつ 10↑:目の合計値が10以上 ゾロ目3:同じ目が3つ 1:ステージ開始  現在のステージの山からイベントカードを20枚引き、それを横一列で表向きに並べ【冒険】とします。  そして、その左端と右端に順番カードを1枚ずつ並べてください。この左端が【スタート】、右端が【ゴール】となります。  そうしたら、【スタート】の各マスに、左から順に「速度」の小さい順でポーンを配置してください。  各ポーンの進行方向は「左→右」となり、最も右にあれば先頭、最も左にあれば最後尾となります。  2ステージ目以降は、【ゴール】のカードを乗せられたポーンごと、【冒険】に左端へ移動させ、右端に順番カードを配置してください。つまり、前のステージで「魔王と戦った順番」が、そのまま次のステージのポーンの初期配置となります。  次に、魔王山から2枚引いて、表向きで【ゴール】の右側に配置します。  さらに、スキル山から”プレイヤー人数+1”枚引き、適当な場所に表向きで配置して【スキル置き場】としてください。  以上の処理が終わったら、各プレイヤーは手持ちのサイコロを振ってください。 2:メインフェイズ  最後尾のプレイヤーが手番を行います。  手番を終えた後、まだ最後尾であれば、連続して手番を行うことも可能です。  手番になったらポーンを好きなだけ【ゴール】へ向かって進めます。  ただし、イベントカードがない箇所や、他のプレイヤーのポーンが配置された場所には止まれません。空いているイベントカードを選んで、そこまで自分のポーンを進めてください。  この時、「試練(赤)」のイベントは強制ストップとなります。通過せず、空いていたら必ず止まってください(いずれかのプレイヤーが「試練(赤)」に止まっていたら、通過することができます)。  また、他のプレイヤーのポーンが全て【ゴール】に配置(=魔王戦済み)され、最後の1人になったプレイヤーは、必ず【ゴール】まで移動する必要があります。この際、「試練(赤)」が残っていたとしても無視して移動してください。  ポーンを進めたら、所持するサイコロを全て振り直してください。  この時、固定された(=キャラクターカードの上に置かれた)サイコロは振り直しする必要はありません。ただし、全て固定されて振り直せるサイコロが1個もない場合は、固定が解除されます。固定されたサイコロをキャラクターカードの上から全て戻してサイコロを振り直してください。  振り直したら、その中で最低1個を選んで固定します。  固定したサイコロは、キャラクターカードの上に乗せてください。  その後、イベントのスートに応じて、以下の処理を行います。 ・試練  固定された目1つを好きな値にできる。 ・遺跡  白サイコロ1個を追加します。  【ストック】からサイコロ1個を取り出し、それを振って手元に加えてください。 ・依頼  追加でサイコロ1個を固定するか、あるいは固定されたサイコロ1個を解除します。 ・町  好きなサイコロ1個を、赤の上級サイコロ1個と交換します。  この時、目は交換するサイコロと同じとしてください。 ・巡礼  情報山から1枚引いて手札に加える。  以上の処理が終わったら、手番を終了して次の順番のプレイヤーに手番を渡してください。  また、【ゴール】へ到達したプレイヤーは次の「魔王戦フェイズ」を行った後、手番を次の順番のプレイヤーに渡してください。 3:魔王戦フェイズ  魔王と戦闘を行います。  魔王カードの各HPの条件を見て、好きなものを達成してください。  1度達成に使用したサイコロは、全て使用済みとなります。  また、赤の上級サイコロは、複数の条件に対して同時に使用することができます。  達成したら、そのHPに設定された”基本戦功”分のVPを得ます。もしも、それが初めての達成であれば、「ファーストアタックボーナス」として2VPを追加で得てください。  また、手札に情報カードがあれば、それをプレイして魔王カードと同様に扱うことができます(プレイ後は、魔王カードと同じく全プレイヤー共通のカードとして扱います)。  情報カードの使用は強制でなく、使用せずに次のステージへ持ち越すこともできます。  そして、全てのサイコロが使用済みとなったら終了となります。  【スキル置き場】から好きな1枚を得て手元に置いてください。  以降、魔王と戦闘を行ったプレイヤーは、次のステージまで強制パスとなります。 3:ステージ終了  全プレイヤーが魔王戦を終えたら、ステージ終了となります。  使用済みとなったサイコロを全て手元に戻し、場に残っているイベントカード、魔王カード、スキルカードは全て捨て札にします。  次にキャラクターが成長します。  白サイコロを1個得るか、白サイコロ1個を赤サイコロ1個と交換してください。  これらの処理が終わったら、新しいステージを開始してください。  以上を繰り返し、3ステージが終了したら決算を行います。  各スートにつき、最も多く持っているプレイヤーは4VPを得てください。複数いれば、人数割り(端数切り捨て)してください。  最後に、最もVPを得たプレイヤーがゲームに勝利します。複数いたら、速度の大きい方を優先してください。それも同じなら引き分けとします。