■■ ファンタジーレイド 草案1 ■ 問題点  全体的に大味なのと、救済ルールが甘いので、特定のプレイヤーが楽しめない作りになっている。  まず、基本的な目標として無駄を削る。要は、的である得点に絡まないショットは何の意味もない無駄弾なのだが、これをできる限りなくす。  その大枠として、ボックスを利用するなどしてプレイエリアに囲いを作るようにする。囲いがあれば、跳ね返りでニアミスぐらいには近づけるし、完全なミスショット自体が減ると思われる。また、的もボードのように厚みを持たせずにカードにする。サイコロが滑ったとしても、的にオンできるのが理想的ではある。  また、武器の使用についても、もう少し派手&選択の幅を増やしたい。  だが、その前に基本的なルールから。  まず、当たりをどう設定するか。  基本的にオンなら当たりでいいだろう。縁にかかっていた場合、通常は半分とか2/3以上乗ってるのでオンとみなすのだが、本音は適当でよい。多分、半分以上としておき、適当に判定するよう記述するのがよいだろう。  弾きに関しては有効とする。  弾いた後に移動したサイコロは、基本その移動後しか見ないとする。となると、必然的に敵の討伐判定は全弾シュート後ということになる。  つまり、当初想定していた「弾数は少ないけど、先にシュートして敵を討伐できる可能性がある」という武器はコンセプトが成立しない。そして、武器のパターンとして、軽くて威力の弱い武器、というのが表現しにくくなる気がしている。  方向性の1つとして、通常のTRPGと同じくサイコロを変えるのがよいかも知れない。単純にダメが出ないという形式。まぁ、現状は予算を考えないとして、これがいいかな。  で、得点をどう分けるか。  普通に考えたら、与えたダメージに応じて加点が違う。というのが王道ではある。  基本的にはD6を標準として、D8、D12、D20ぐらいを使うとして、D6以外の特殊ダイスは1個だけ使用可能。みたいな変な形式にする必要あるのがやや問題か。  んー  でも、特殊ダイスが1個以上つけられないことを考えると、これらは切り札として使用できる。という方がいいかも知れない。ゲーム中に1回だけ、通常のD6を特殊ダイスに変更できる。的な。そっちの方が面白そうか。  となると、通常武器の差異は単なる個数と振り方だけになってしまう。まぁ、それでも良いと言えば良いが、何かもう少し特殊効果ではない基本効果として何かあった方がいい気がする。  あるいは、武器の特色として1個だけ特殊ダイスにするか。3D6+1D8みたいな。  また、毎ラウンド武器を選ぶが、選んだ武器に応じて何かシナジーとか、何かあったらよいかな。旧武器が1個ダイス少なく使える。というのは、やはり地味だし面白みに欠ける感がある。変な武器を引き取らされてひーひー言う方がゲームコンセプト的には合っているだろう。  武器に明確な当たり外れを作ることもそれなりに重要ではあるが、外れの武器も何らかの手段で補填できるような形にしておくとストレスが少ない。  武器を合体させて改造できる、というのはアイデアとして分かり易く面白い。  つまり、武器の性能として、改造パーツとしての性能、という特色が作れることになる。で、実際にどういう処理をさせるとよいか。  単純にサイコロを増やすだけ、というのは面白くない。例えば、振り方を変えられるとか。命中精度を振り方で表現するなら、置くの一段階上に「落とす」というのも作るとよいかも知れない。まぁ、ただどう合成するかが問題ではある。  威力アップにしても、単純に火力上乗せする訳にもいかないし。例えば、武器に系統毎の色分けをしておいて、同色であれば強化できる。というやり方もある。が、分け方が剣、弓、槍とかだと、同種しか強化できないので合成してる感がない。例えば槍+斧でポールアックス的な、異なるスートでの合成がイメージとして望ましい。  例えば、同種で合成する場合は命中精度を。異種で合成する場合は火力を。という考え方か。  で、合成は基本的に使用済み武器を素材にして、1回のみ有効。ラウンドが終われば合成パーツは失われて素の状態に戻る。具体的には、使用済み武器を捨て札にして1回だけ強化。という感じか。  これだと切り札感があるので、よいかもしれない。  武器のベーススタイルを作った後、基本的には特殊効果で差異を出すスタイルとする。  具体的には、同じスートならサイコロ数が1個増え、違うスートならダメージが増える? 多分、サイコロを1段階アップできる。  サイコロ自体は6D、8D、12D、20Dの4種類とする。1つ合成する毎に、好きなサイコロ1つのランクをアップする、みたいな感じかな。ただし、6D以上のランクは同時に2個できない。つまり、8D+6Dという構成なら、まず1個合成して8Dを12Dにし、次いでもう1個合成して12Dを20Dにするか、あるいは6Dを8Dにできる。  では本題。  敵の討伐判定とタイミングをどうするか。  全員がシュートを終えた後だと、ダメージによるVP分配という面倒な処理が発生するのと、乗っているダイスを弾き飛ばすことにより、本来当たっていた筈の攻撃が外れた。という不自然な状況が発生する。  例えば、シュートを交互にではなく、プレイヤー毎に行う形式にする。つまり、プレイヤーは自分の手番で持ち弾を全弾撃ってから次のプレイヤーに手番を渡す。  この場合、例えば装弾数の少ない武器のプレイヤーから攻撃開始できるなど、武器の特色が1つ出せるというメリットがあり、先手番は倒しきれればそれでいいが、倒せなければダメージを与えた状態で後手番に渡すことになる。  この方式で問題となるのはインタラクティブ性が若干少ないのと、敵のHP調整が厳しそうなところか。  一番簡単なのは、武器の大体の期待値を決めておいて、プレイヤー人数分敵を出すことかな。すると、大体1人1敵ぐらいにはなる。が、爽快感はやや薄れるし、ソロゲー感もやや強くなる。  シュートを持ち回りでやるとして、フィニッシュシュートを決めたら、その手番終了時に的を除去するのも1つの方法ではある。まず、的の上にあるサイコロを全て除け、しかる後に的を回収する。ただ、プレイエリアのものを動かすことには若干の抵抗がある。実際に、箱裏に配置されたカードの取りやすさ的なものもあるだろうし。  だが、この形式であれば問題は概ね解決できると思われる。  ダメージコントロールについてもう少し考える。  基本的に1〜6の乱数は大きすぎる。まず最初の手順として的に乗せる必要があるのに、乗せたにも関わらず目がショボい、というのはどうにも救いがない。  例えば最低保証目とか、+1みたいな最低保証値みたいなものを設定する、というやり方はあるが、ちょっとスマートさに欠ける。そもそも敵のHPを下げて、最大値でも7ぐらいに設定するやり方もあるが、平均値以上を出し続けた結果、敵が即死するという可能性もある。  最低目保証を付けるぐらいであれば、コンボボーナスの方が面白いかな。的に乗った自分のサイコロ数が加算される的な。ただし、これは永続ダメージではなく、いわばインパクトダメージ。実際に表記される値ではないので、それで倒せなければ実際に見えてる数字にまで減る、という感じ。  概念としてやや難しい。どちらかと言えば、共闘ボーナスの際にダメージ量ではなく、サイコロ数、つまりヒット回数で貢献度を数えるようにしたらいいかも知れない。  この場合、多めにHPを設定し、サイコロが複数乗る感じが理想ではある。が、1巡するまでに4個とか乗るのを想定すると、平均12以上みたいなよく分からないことになるので、3D6の期待値、10.5程度を目安に考えるのがいいだろう。で、ヒット数が同じ場合は、目の大小でタイブレイクする、と。  弾きについてはどうするか。  敵を倒してない状態であった場合、サイコロは取り除かれないので当然弾かれる可能性は常に存在する。が、基本的に問題ないとする。  ただし、弾かれたサイコロが他の敵の上に乗り、かつそれで敵のHPを上回った場合どうなるのか。という問題がある。ファイナルダメージを手番プレイヤーにあるとした場合、味方の攻撃をうまく誘導して敵に攻撃した、という扱いになるので、その場合は手番プレイヤーがシュートしたものとして扱ってよいと思われる。  共闘ボーナスをどするか。  敵のVPスケールにもよるが、大体10前後のHPで4前後のVPとする。その場合、共闘ボーナスとして、とにかくサイコロが乗っていたら1、というのはバランス的に悪くないと思われる。VP幅を3〜5ぐらいで設定する方向性で調整するのがよいだろう。 ■ 概要  次々に襲い来るモンスターを撃破し、その撃破数を競おう! ■ コンポーネント  2〜4人用 ◇エネミータイル(20枚)  出現する敵のイラストと、HPが書かれたタイルです。 ◇武器カード(20枚)  使用できるサイコロの数やシュートの仕方、特殊効果などが書かれています。 ◇サイコロ(24個)  4色6個ずつのサイコロです。  武器による攻撃と、敵に与えるダメージなどを表します。 ■ ゲームの準備 1)敵と山の準備  タイルをよくシャッフルし、タイル山にします。  カードも同様によくシャッフルし、山にしてください。 2)プレイヤー準備  各プレイヤーは自分の色を決めて、その色のサイコロ6個を受け取ります。  次に、じゃんけんなど好きな方法でスタートプレイヤーを決定してください。 ■ ゲームの進行  本ゲームはラウンドという単位で進行し、5ラウンド目が終わった時点で、最も多くのVP(=名誉)を得たプレイヤーがゲームに勝利します。  各ラウンドの流れは以下の通りとなります。 1:ラウンド開始  このラウンドに出現する敵を用意します。  スタートプレイヤーはタイル山から2〜4枚引いて、それを好きなように並べてください。ただし、タイルとタイルはどこか1箇所でも必ず隣接している必要があります。  この並べられたタイルを【敵置き場】とします。  次に、山から4枚引いて表向きに【武器置き場】へ並べ、スタートプレイヤーから時計回りで順番に好きなカードを1枚選んで【新品置き場】へ置いてください。選ばれなかったカードは、全て捨て札にします。 2:武器選択フェイズ  自分の手持ちの武器の中から、このラウンドで使用したい1枚を選びます。  武器には「新品」と「中古」の2種類の状態があり、ラウンド開始時に得た武器は【新品置き場】へ置かれます。使用すると、以降は【中古置き場】へ置かれることになります。  どちらからでも構いませんので、好きな1枚を選んでください。  武器が決まったら、各自武器カードで指定された数だけ自分のサイコロを用意してください。ただし、【中古置き場】から選んだ場合は、サイコロの数が1個減ります(何回使い回しても、減る数は1個で変わりません)。 ○武器のスキル  武器によっては、特定のシチェーションで適用されるスキルがあります。  各カードのテキストに従い、効果を適用してください。 3:アタックフェイズ  スタートプレイヤーから時計回りで順番に手番を行います。  自分の手番になったら、サイコロを1個使って指定された方法で敵にシュートしてください。サイコロが残っていたら、必ずシュートする必要があります。  もしも、手元にサイコロが残っていなければ「パス」となります。全員がパスするまで待っていてください。 ○弾く  使用するサイコロを、タイルから20cm程離した場所(厳密でなくても構いません)に積み上げます。積み上げたら、その一番上にあるサイコロを【敵置き場】へ向かって弾いてください。もしも弾くことによって、積み上げたサイコロが崩れてしまった場合、フォルトとなりサイコロを1個失います。 ○トス  タイルから20cm程離した場所(厳密でなくても構いません)から、コイントスの要領でサイコロ1個を【敵置き場】へ向かって弾き入れます。 ○投げる  タイルから20cm程離した場所(厳密でなくても構いません)から、サイコロ1個を【敵置き場】へ向かって振り入れます。 ○置く  サイコロ1個を、【敵置き場】の好きな位置へ置きます(ただし、目は指定されます)。  シュートしたサイコロが、タイルの「敵イラストの上」に乗れば攻撃成功です(【敵置き場】に乗っても、イラストの上に乗らなかったら外れです)。サイコロがちょっとでも乗っていればOKで、この判定は厳密に行う必要はありません。プレイヤー間で「なんとなく判断する」ぐらいで問題ありません。  攻撃が成功したら、その敵に出目の分のダメージを与えます。  既に同じ敵の上に他のサイコロが乗せられていたら、その目を合計してダメージとしてください。これにより、その敵のHP以上のダメージを与えたら倒します。指定された値分のVPを得てください。  この時、他のプレイヤーのサイコロが乗っていたら共闘ボーナスが発生します。攻撃が成功した「手番以外の」プレイヤーは、乗っている自分のサイコロ1個につき1VPを得てください。  敵を倒した後も、タイルやサイコロはそのまま残しておきます。ただし、以後はそこにサイコロが乗っても何も起こりません。  また、シュートして既に置かれているサイコロ(自分含む)にぶつけ、それを弾き飛ばすこともできます。  ただし、弾き飛ばされたサイコロが敵のイラストの上に乗った場合、手番プレイヤーがシュートしたのと同じように処理を行ってください。  上記を繰り返し、全プレイヤーがパスしたら次のフェイズへ進みます。 4:ラウンド終了  タイルを全て取り除いて、サイコロを全て各プレイヤーの手元へ戻します。  次に、各プレイヤーはこのラウンドで使用した武器カードを【中古置き場】へ戻します。  それが終わったら、新しいラウンドを開始してください。  これが5ラウンド目終了時であれば、ゲームが終わります。  この時点で最も多くVPを得ているプレイヤーがゲームに勝利します。複数いたら、【新品置き場】と【中古置き場】にある武器のサイコロ数を合計し、合計値の少ない方が勝利します。それも同じなら、引き分けとしてください。