<秋の星座 〜典型的お姫さま〜>


アンドロメダ座
英語名the Chained Lady
学名Andromeda
略符And
位置赤経0:40 / 赤緯北38’00


【アンドロメダ座にまつわるお話】

しぐれ :今回は予告どおり「アンドロメダ座」ですね。

きのさき:ええ。今回は前と違ってちゃんとベースになる神話がある分、話がしやすいです。

しぐれ :まずはそのあたりのお話から始めましょうか?

きのさき:はいはい。けっこう知ってる人もいると思いますけど、やりましょう。



−アンドロメダ座の神話−

アンドロメダは、古代エチオピア国王ケフェウスと、その妻カシオペアの間に生まれた娘です。

で、このカシオペアって人は、美人なんだけど悪い王妃の典型みたいな人で、

事あるごとに自分の娘の自慢ばっかりしていました。


ある時、いつものごとくカシオペアが自慢たらたらに自分の娘の話を吹聴してまわっていたとき、

「うちの娘の美しさに比べれば海の妖精ネレイスの美しさなんてショボいもんですわ」

みたいなことをつい言ってしまったわけです。

これがまた日頃からネレイスをごひいきにしていた海神ポセイドンの耳に入ってしまいました。

ポセイドンはそりゃもう、怒るのなんのって感じで。

大人げなくも彼は即座に海の怪物、化けくじらを召喚してところかまわず暴れさせました。

困ったのは国王ケフェウス。国内の沿岸はボロボロで、さっばり船も出せない状況です、

ましてや、原因を作ったのが王妃ですから、かなりうんざりしていたでしょう。

ケフェウスは信託によって、このピンチを切り抜けるための手段を授かろうとしました。

信託の内容はこうです。

「王女アンドロメダを海辺に鎖でつなぎ、生け贄にささげれば怪物はおとなしくなるであろう」

ケフェウスはさらにうんざり。しかし彼は国王と言う立場上、その信託を実行せざるを得ませんでした。

王の司令の下にアンドロメダは鎖でつながれ、怪物がやってくるのを待つことになります。


しばらくすると水平線の彼方から、その怪物は姿を現しました。

息をのむ王女。

うなだれる国王。

誰もが次に起こるであろう悲劇を確信した瞬間・・・天空より舞い下りた一つの影!

そこには、真っ白な天馬ペガススに乗った若者がいました。

その人こそ、鬼女ゴルゴンを退治した帰りに偶然通りかかった、万能神ゼウスの子孫である勇者ペルセウスなのです。

彼はおもむろに手持ちの袋を開け、先ほど倒したゴルゴンの首を取り出して怪物のほうにつきつけました。

見たものを石に変えてしまうゴルゴンの能力は首だけになっても変わりません。

その視線を浴びた怪物はたちまち石と化してしまいました。

こうして古代エチオピアを騒がせた海の魔物は、予想に反してあっけなく倒されたわけです。

鎖から解き放たれ、ペルセウスのもとに駆け寄る王女アンドロメダ。

ペルセウスは彼女とともに天馬ペガススに乗り、現れたときのようにまた、空へ昇っていきました。

そして彼らと、2人の乗った天馬は星座となったわけです。


・・・これを聞き、嘆き悲しむケフェウスとカシオペア。

しかし、ペルセウスとともに天に昇ったアンドロメダは、2度と両親の前に姿を見せることはありませんでした。

さすがのゼウスもこの様子は見るに見かねたようで、彼の計らいにより、この2人も死後、天に星座として居座ることとなりました。

そして現在、この事件に関わった人々は星座として秋の夜空を彩っています。

程よい時間に見れば、すべてのキャストを同時に見ることができるでしょう。



きのさき:この話では割愛しましたが、登場しながら星座になれなかった人もいます。

しぐれ :アンドロメダの婚約者、フィネウスですね。

きのさき:そう。彼が関わると話が長くなるので止めましたが、けっこうさみしい役回りを背負っています。

しぐれ :結局、王女をペルセウスに取られる形で終わっちゃいましたからね。

きのさき:王室という性格上、かなりそれが政略結婚くさかったのは仕方ないですが・・・
      だからといって、彼はそういう話にありがちな、いわゆる悪い人でもなかったようです。
      つまるところ、愛情は足りてても、力が足りなかったために彼はペルセウスに敗北したわけですね。
      ・・・うーん、なんか生々しい話で、嫌ですな( ̄▽ ̄;


しぐれ :ずいぶんと肩入れしてますね・・・ペルセウス、嫌いなんですか?

きのさき:というか、ね・・・

しぐれ :はい?

きのさき:アイテムに頼って敵を瞬殺する勇者は、いかんと思うわけですよ

しぐれ :でも、まともに戦ったらどう考えても勝てないでしょう(^^;

きのさき:まぁ、そうですね(^^; でもギリシャ神話の神って、力があるのをいいことに他人の幸せをぶちこわしてる人々ばっかりだし・・・

しぐれ :確かに、ギリシャ神話の話って、なんかすっきりと終わらないんですよね

きのさき:なんせ、最高神のゼウスからしてろくな人じゃないですから(笑) うらやましいといえばうらやましいオッサンですけど

しぐれ :は?それはどういう意味でですか?(−ー;

きのさき:ん・・・げふんげふん。いいや、忘れてください( ̄▽ ̄;

しぐれ :・・・大家さんも、結局はそういう人なんですね

きのさき:つ、次いきましょう(汗)


【M31 アンドロメダ大星雲】

座標:<赤経0:42/赤緯北41’16>

きのさき:ご存知、我々の住む銀河系から最も近い星雲です。

しぐれ :等級はだいたい5等星くらいらしいですね。目のいい人ならぼんやりと見えます。

きのさき:昔、ローマ軍が視力検査代わりにこの星雲を使っていたそうです。これが見えればあなたもローマ兵(笑)

しぐれ :昔と今じゃ大気の条件が違いすぎますよ(^^;

きのさき:空気が汚いのは如何ともしがたいですからね・・・



【アンドロメダ流星群】

きのさき:この星座のγ星あたりが輻射点。大体、11月中旬から下旬にかけて発生します

しぐれ :大家さん・・・もう11月はとっくに過ぎましたよ(−−;

きのさき:いいの!ショボい流星群なんだし( ̄〜 ̄)

しぐれ :双子群をおとなしく待て、ということですね?(^^;

きのさき:そう。見に行っても絶対「流れない〜っ!!」って文句いうだけですから。双子群のほうが断然いいですね

しぐれ :どうでもいいけど、おすすめするならちゃんと紹介してくださいよ?

きのさき:やりたいことはあるんです。で、でも、時間が・・・(;_;)

しぐれ :はぁ・・・このコーナー、いつまで続くでしょうか?(−−;


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